はじめに

米国株と日本株、AI投資の決定的な違い

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AI投資を考えるうえで、日本株と米国株を同じ物差しで見ることはできません。

米国市場は、明確に「AIが主役の市場」です。クラウド、半導体、生成AI、データセンターといった分野で、世界の標準を作る企業が集中しており、AI投資の中心地であることは疑いようがありません。

米国企業は、AIを単なる効率化ツールとしてではなく、ビジネスモデルそのものを変える武器として使っています。そのため、売上や利益の成長とAI投資が直結しやすく、市場もそれを高く評価しやすい構造になっています。

一方で、米国株のAI投資は分かりやすい反面、個人投資家が陥りやすい落とし穴も多いです。

それは、「市場の期待をさらに上回れるかどうか」が、株価を左右する点です。好決算でも、期待に届かなければ株価が下がることは珍しくありません。

これに対して日本株のAI投資は、性質がまったく異なります。

もちろん、半導体やデータセンター関連なども物色する意義はありますが、日本企業の多くは、AIを前面に打ち出すよりも、既存事業の中に静かに組み込む傾向があります。製造業、精密機器、部品、素材、物流、医療機器といった分野で、実務レベルでのAI活用が着実に進んでいます。

日本株のAI投資では、「AI企業を探す」のではなく、「AIによって競争力が底上げされている企業を見つける」視点も欠かせません。

この違いを理解しないままテーマだけで投資してしまうと、短期的な人気に振り回されやすくなります。

王道ETFと、新たな注目ファンドの整理

AI投資は非常に魅力的である一方、銘柄選別の難易度も高い分野だと感じた方も多いのではないでしょうか。

特に投資初心者の方や、日々決算資料を追い続けるのが難しい方にとっては、ファンドという形でAI成長を取り込むという選択肢もあります。。ここでは、比較的取り入れやすい王道ETFと、近年注目されているファンドを整理していきます。

王道ETFとして押さえておきたい指数と商品

まず王道として挙げられるのが、ナスダック100指数です。これは、米国ナスダック市場に上場する企業のうち、金融を除いた時価総額上位100社で構成される株価指数で、世界的に見てもハイテク・成長企業の集合体です。

この指数に連動する代表的なETFが「QQQ」で、GAFAをはじめ、半導体やAI関連株が多く含まれています。また、FANG+指数に連動するETF「iFreeETF FANG+」も、AI投資を考えるうえで見逃せません。

ビッグテックにまとめて投資するFANG+

「【316A】iFreeETF FANG+」は、米国上場企業の株式に投資し、NYSE FANG+指数(円ベース)の動きに連動した投資成果を目指すETFです。

フェイスブック(Meta Platforms)、アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)、ネットフリックス(Netflix)、グーグル(Alphabet)といったGAFAMに加え、エヌビディア、クラウドストライク、サービスナウ、ブロードコムなど、ビッグテック10銘柄に均等に投資する仕組みとなっています。

過去の実績ではありますが、FANG+(円ベース)は長期で大きな成長を遂げてきました。

大型成長企業に絞り込むという考え方

ベンチマーク指数であるナスダック100指数全体を見ても、パフォーマンスを牽引しているのは上位の大型株です。こうした背景から、より大型IT・成長企業にフォーカスする投資手法にも注目が集まっています。

新たな注目ファンド1:「インベスコQQQメガファンド」

2025年6月に、新たな注目ファンドが2つ新規設定されましたのでご紹介させてください。

1つ目の「インベスコQQQメガファンド」は、ナスダック100指数の中でも特に時価総額の大きい企業群にフォーカスしており、AI、クラウド、半導体といった成長テーマの中心に位置する企業の値動きを効率的に取り込む設計となっています。

ベンチマーク指数である「ナスダック100メガ指数」はナスダック100指数の構成銘柄の中から、時価総額が上位約45%の銘柄だけで構成されます。つまりQQQから大きくて影響力のある「メガ企業」に焦点を当てたより絞り込んだ指数ということです。

ナスダック100指数全体を見ると、時価総額の大きい企業の比率が高く、全体のパフォーマンスを牽引しているのは上位の大型株です。ナスダック100メガ指数はそのなかでより大型IT・成長企業のリターンを狙ってよりシンプルに指数パフォーマンスを追求するという考え方の指数とのことです。

新たな注目ファンド2:「次世代AI株式戦略ファンド」

一方で、特定の大型銘柄に集中するのではなく、より幅広く次世代AI企業に分散投資したい場合には、「次世代AI株式戦略ファンド」も調べてみてください。

「次世代AI株式戦略ファンド」はAIインフラを支える企業だけでなく、AIを活用して事業変革を進める企業にも投資するテーマ型ファンドです。SBI岡三アセットマネジメントが運用しており、AI関連企業の株式に投資するグローバル株式ファンドとして、日本を含む世界各国のAI関連企業に分散投資する設計となっています。個別株では拾いきれない成長機会をカバーしやすい設計でもあります。

もし気になるファンドがあれば、交付目論見書もチェックしていただきたいのですが、月次レポートも参考になります。無料でAI関連の動向や組み入れ銘柄の中の注目銘柄を知ることもできるため、投資判断の材料として活用しやすいでしょう。

2026年のAI投資とどう向き合うか

数年前からAIというテーマは投資家にとってホットなワードで、何度も「もう遅いのでは?」「割高なのでは?」と言われながらも、現状は高成長を続けきました。短期で利益を狙っていく投資家の方も、中長期的な成長を狙って少しずつ買っていく、もしくは割安なタイミングで購入して保有をするという戦略の方にも、どちらにとっても注目できるテーマだと考えています。私自身、すでに数年単位で保有を続けているAI関連銘柄がありますし、多少の操作をしながら持ち続けているAI銘柄もあります。

しかし、当然すべてのAI関連企業が勝者になるわけではありません。

だからこそ銘柄によって戦略を分けると言うのもひとつの手かと思っています。短期投資ではしっかりと調べて自身の戦略の通りに投資をしていく姿勢が大切で、長期投資においては投資手段を分散し、技術だけではなく事業の進展を見る姿勢が重要になります。

皆様にも焦らず、ご自身の投資スタイルに合った形で、AI投資と向き合っていただければと思います。

引き続き、2026年のAI相場を一緒に注目してまいりましょう。

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