はじめに

ユーラシアグループが発表した「2026年 世界10大リスク」は、これからの投資環境を考えるうえで重要な前提条件を示しています。2026年は世界が安定へ向かう年ではなく、不確実性が常態化する年になるとレポートは指摘しています。米国・中国・欧州の政治リスク、AIやエネルギーを巡る変化を整理し、投資家が取るべき3つの行動指針を解説します。


「2026年 世界10大リスク」が発表された今、投資家は何を見るべきか

世界の政治リスク分析で知られるユーラシアグループは、2026年版の「世界10大リスク(Top Risks 2026)」を発表しました。

毎年、新年早々に公表されるこのレポートは、その年の世界情勢と市場環境を考えるうえで、投資家にとって重要な指針の一つとされています。

2026年に向けた世界の投資環境を考えるうえで、政治と経済、そして市場の関係性を改めて整理しておくことは、これまで以上に重要になっています。

なぜなら、金融市場はもはや「企業業績」や「金利」だけで動く世界ではなくなり、国家の意思決定、地政学、価値観の対立といった要素が、直接的に資産価格を揺さぶる局面に入っているからです。

その意味で、この「2026年 世界10大リスク」は、投資家にとって単なる読み物ではなく、ポートフォリオを点検するための実践的なチェックリストとして位置づけるべき資料だと言えるでしょう。私も投資家として毎年チェックしていますが、去年の内容を振り返ってみても、市場との整合性は高かったと感じています。

2026年は「安定」ではなく「不確実性が常態化する年」

まず大前提として、このレポートが示している最大のメッセージは、「2026年は世界が安定へ向かう年ではなく、不確実性が常態化する年になる」ということです。リスクは一時的に顕在化して終わるのではなく、複数のリスクが同時並行で存在し、それぞれが絡み合いながら市場に影響を及ぼす状況が続くと見られています。

これは投資家にとって、短期的な予測や一点集中型の投資が、これまで以上に機能しにくくなることを意味しています。「どれか一つを当てにいく」投資ではなく、前提条件が崩れた場合でも耐えられる構成を意識する必要がある局面に入っていると言えるでしょう。

最大の焦点は「米国政治の構造変化」

レポートの中で特に重要視されているのが、米国政治の構造変化です。ここで言う米国のリスクとは、単なる政権交代や選挙結果の話ではありません。

民主主義の制度設計そのものが揺らぎ、政策決定が予測不能になりやすい状態が続くことが、世界経済全体にとっての最大のリスクになりつつあることが強調されています。

投資家の視点で見れば、これは「アメリカは安全資産である」「米国株は長期で持っていれば大丈夫」といった、これまで半ば常識のように語られてきた前提が、徐々に書き換えられていく可能性を示唆しています。

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