はじめに

米国依存のポートフォリオを冷静に点検する

図

もちろん、だからといって米国資産を避けるべきだ、という単純な話ではありません。

むしろ重要なのは、米国一国に過度に依存したポートフォリオ構成になっていないかを冷静に点検することです。

米国株、米ドル、米国債という「三点セット」に資産が偏りすぎている場合、政治リスクが顕在化した際の影響を、想像以上に大きく受ける可能性があります。したがって投資戦略としては、引き続き米国市場の成長力を取り込みつつも、地域分散をより意識した構成に見直すことが現実的な選択肢となります。

中国は「減速」ではなく「二面性」で見る

次に、中国を巡るリスクと機会についてです。

レポートでは、中国が電動化や送電インフラを軸とする“電気国家”として世界経済における存在感を強める一方で、国内ではデフレ圧力が強まり、成長モデルの転換に苦しむ姿が描かれています。

この二面性こそが、2026年以降の中国を理解するうえで極めて重要なポイントです。

中国は決して衰退していく国ではありませんが、かつてのような不動産主導・量的拡大モデルはすでに限界を迎えています。その代わりに、EV、バッテリー、再生可能エネルギー、送電網といった分野で、国家主導の投資が続いています。

投資家として意識すべきなのは、「中国全体に投資する」という発想から、「中国が強みを持つ分野」と「構造的に厳しい分野」を分けて考える視点へ移行することです。

また、中国リスクを直接取らずに、サプライチェーンの再構築という形で恩恵を受ける国や企業――東南アジアやインド、メキシコなどへの分散投資も、有効な戦略の一つと言えるでしょう。

欧州は「国と企業の選別」が決定的になる

欧州についても、2026年は決して楽観できる状況ではありません。政治的な分断、財政問題、防衛負担の増大など、複数の課題が同時に存在しています。
ただし、ここでも重要なのは「欧州は危ないから投資しない」という極端な判断ではありません。内需型で安定したキャッシュフローを持つ企業と、地政学リスクの影響を受けやすい企業との差が、これまで以上に大きくなっていく可能性があります。

指数全体への投資よりも、テーマやビジネスモデルを重視したアプローチが適している局面だと考えます。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward HOME]