はじめに

家計簿・資産管理アプリ「マネーフォワード ME」が、各界のプロフェッショナルから「豊かなお金の使い方」を学ぶ動画コンテンツ「Money Forward Pickers(マネーフォワード ピッカーズ)」の特別編を公開しました。

今回のゲストは、「マネーフォワード」の社名の名付け親でもあるコピーライターの渡辺潤平氏と、元サッカー日本代表で現在は腸内細菌研究のスタートアップ「AuB(オーブ)」を経営する鈴木啓太氏です。

マネーフォワードホーム株式会社代表取締役社長の金坂直哉が聞き手となり、まったく異なるフィールドで活躍する二人が、仕事論から「お金との向き合い方」、そして「心の震える消費」について語り合いました。


金坂直哉(以降、金坂):今日は「Money Forward Pickers」特別編ということで、豪華な2人のゲストに来ていただいております。お1人目はマネーフォワードの社名の名付け親でもある、コピーライター/クリエイティブディレクターの渡辺潤平さんです。

渡辺潤平氏(以降、渡辺):よろしくお願いします。

金坂:お2人目のゲストは、AuB株式会社代表取締役の鈴木啓太さんです。サッカー日本代表でもいらっしゃったのでご存じの方も多いと思います。

鈴木啓太氏(以降、鈴木):よろしくお願いします。

金坂:お二人は今日が初対面ですが、対談していただいたら面白いものが生まれるんじゃないか、ということで僕の方で勝手に企画させてもらいました(笑)。

渡辺:私、平静な顔をして座ってますけど、実はすごい鈴木さんのファンで。

鈴木:そうなんですか(笑)。

渡辺:僕、日本代表戦をめっちゃ見に行っていたんですよ。

鈴木:ええ! 嬉しいです。

渡辺:あと僕、オシムさん(イビチャ・オシム元日本代表監督)が大好きなんです。僕は千葉出身なので、オシムさんがジェフユナイテッド市原・千葉の監督をされていた頃からすごく好きで。あの頃の日本代表が、一番好きなんですよ。

鈴木:ああ、そうなんですね。ありがとうございます。オシムさんは異質でしたね。「練習の予定を決めない」監督でした。その日の練習が何時から始まるかわからないんです。コンディション調整としては非常に難しいのですが、オシムさんのメッセージは明確でした。「ルーティンになることは強みでもあるが、サッカーはルーティンではない。ピッチ上で何が起こるかわからないから、常に準備をしなさい」ということです。サッカー選手は24時間365日、サッカーのことだけに集中しなさい、と。選手としての時間は短く、いつ終わるかわからない。だからこそ、思考を停止させず、今この瞬間に集中することが大事だと教わりました。

渡辺:その中で鈴木さんが日本代表の中心選手であり続けた理由はなんだと思いますか?

鈴木:僕は他の選手よりサッカースキルがあったわけではありませんが、「監督が求めているものは何か」を察知するのは早かったのかもしれません。

「マネーフォワード」の名付け親とコピーライターの流儀

金坂:早速ですが、渡辺さんのお仕事について教えてください。コピーライター/クリエイティブディレクターとしてご自身の仕事をどう定義されていますか?

渡辺:コピーライターは広告が主戦場ですが、CMやポスターだけでなく、「マネーフォワード」のように社名を作ったり、Bリーグのスローガン「ココロ、たぎる。」を作ったりもします。言葉は誰もが使えるものですが、プロとしては「直感的にいいね」と思ってもらえることが大事です。「みんなが言いたかったことをストレートに表現する」ことをテーマにしています。「そうそう、それが言いたかった!」という地点にいかに最短距離で近づくかが私の仕事だと思っています。

金坂:「三菱地所を、見に行こう」や「全員修造!」などの名作コピーはどうやって生まれるのですか?

渡辺:想像以上に地味な作業です。大学ノートにシャーペンで延々と書き続けるということをやっています。駆け出しの頃は「1日100本書きなさい」といわれていました。自分の中にある言葉を出し尽くすような感じで、量を書くことが大事です。物事を360度、いや720度くらいの角度から見つめる習慣をつけるために行なっていました。そうすることで、だんだんと伝わる切り口が見えてくるんです。

金坂:「マネーフォワード」という社名はどのように生まれたのですか?

渡辺:社長の辻さん(株式会社マネーフォワード代表取締役社長CEO 辻庸介)から社名を付けたいと相談を受けたんです。辻さんはそのときにはすでに名前を決めていたようで、「EBISU BOOK」という名前を考えていました。恵比寿様とFacebookと、恵比寿に会社を作りたいという欲望のコングロマリット(集合体)みたいな名前で(笑)。

金坂:欲望のコングロマリット(笑)。

渡辺:「これは何て言おうかな」と思ったんですが、「1〜2週間くらい考えてもいいですか」とボールを預かりました。当初は「電子家計簿」と言われていたのですが、辻さんと話していく中で、「お金が見えてくると人生が前に進んでいく」という話から、「お金を前に進める」という意味を込めて「マネーフォワード」と名付けました。

金坂:2025年にリリースした、「Prime Coupon(プライムクーポン)」も名付けていただきましたけれども、どんなことを考えてくださったのですか?

渡辺:金坂さんからプライムクーポンの構想を聞いた時に、それはいいなと思いました。素敵なものがアフォーダブル(手頃)に手に入るということが、直感的にスピーディに伝わらないといけない。いろんな言葉を掘ったものの、やっぱり「プライムクーポン」という言葉が一番言いやすいし、とにかく分かりやすいということで決まりました。

金坂:実は鈴木さんが、このプライムクーポンのリリースを見て、AuBでもやりたいとお声がけくださったんですよね。

鈴木:そうなんです。単純に我々はベンチャーでまだまだ認知が足りない中で、こういう取り組みはいいなと思いました。私たちが食品などにも事業を広げていく中で、マネーフォワード MEのようなサービス内でまずは1回お試しいただきたいということで、ご連絡しました。

「指導者」と「うんこ」どちらを選ぶか迷いはなかった

金坂:鈴木さんの会社「AuB」についても教えてください。僕、ちょっと聞きたかったのが、ネーミングやコピーライティングについてです。

鈴木:「AuB」は「アスリート・うんこ・バンク」の略なのですが、「うんこ」ではダメなので、「Athlete MicroBiome Bank(アスリート・マイクロバイオーム・バンク)」という名前にしたんです。

渡辺:今日の対談、鈴木啓太さんの口からその話が聞けただけで来てよかったです(笑)。「AuB」という名前はすごくいいですね。良いネーミングの条件は「口にしやすい」「覚えやすい」「違和感がある」こと。AuBはそのバランスが良く、さらに「実はうんこなんです」というナラティブ(物語)があるのが素晴らしいです。

鈴木:ありがとうございます。私たちが何をやっているのかというと、まずアスリートの腸内細菌の研究をしました。アスリートの腸内細菌って絶対にいいだろうと。ただこれを研究している人たちがいない。で、「あ、俺アスリートだし、アスリートの腸内細菌調べられる」と。このデータが見に来てくれるファン、サポーターの方の健康に貢献できたら、エンターテインメントの価値だけじゃなくて、ヘルスケアの部分でもサッカーに貢献できると。こんな素敵なことはないなと思ったんです。その研究から知見を活かして、サプリメントを作ったり、食品やコンディショニングをサポートするプロダクトを作っています。

渡辺:指導者になる道と、「うんこ」を選ぶ道、そこに迷いはなかったのですか?

鈴木:指導者を仕事としてやることは考えなかったです。指導はものすごく面白くて、例えば小学校、中学校、高校とか、こういう育成年代は指導したいなと思うこともあったんですけど、この指導をやりたい人はたくさんいたんです。でも、この指導者を取り巻く環境を見る中で、意外と監督たちは孤独だなと思ったことがあったんですね。

この素晴らしい監督たちの能力を発揮させることであったり、街づくりとかコミュニティ作りに関係することをやったりしたいと思っていました。そのような中で、サッカー界に関わり続けるために一度、1つ核となる「ヘルスケア」をやろうと思ったんです。

「保険に入りすぎ!」とお説教?渡辺氏のお金管理

金坂:ここからは「お金」について伺います。渡辺さんはお金の管理をどのようにされているんですか?

渡辺:マネーフォワードでお金の管理はしています。ただ、元々お金が嫌いで、お金に縛られるのが嫌なので、考えないようにしていました。でも自分のお金周りのことがとっ散らかっている時に、辻さんに呼び出されて説教されたんです。

金坂:それは「保険入りすぎ事件」ですよね(笑)。

渡辺:保険会社の方に勧められるがまま、内容はよく分からないけれど「内部留保になるならいいですね」と、とんでもない額の保険料を払っていたんです。それを辻さんに話したらいつもニコニコしているのに、すごく怖い顔になって(笑)。ファイナンシャルプランナーの方を呼んでくれて、「これとこれとこれ、全部解約しなさい」と言われたんです。ちゃんとお金のことを知らないとダメだと痛感し、それからは健康をチェックするように自分のお金を管理するようになりました。

金坂:最近の買い物で印象に残っているものはありますか?

渡辺:ぼくお買い物が大好きで、すごい浪費しちゃうんです。服や靴や時計を買うのが好きなのですが、最近は良いもの、長く使えるものをちゃんと吟味するようになりました。最近買ったバーバリーのトレンチコートは、背筋が伸びて、一人前として見てもらえるような気がします。49歳にしてようやく「大人ってこういうことか」と知りました。

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