はじめに
老後で詰まないための「家計ルール」を決める3ステップ
守るお金が明確になったら、「家計ルール」を決めていきます。
ステップ① 「我が家の家計の全体像」を明確にする
共働きが主流の今、生活費が完全に折半だったり、必要な費用だけ共同口座で管理したりして、相手が何にどれだけ使っているかわからないという家庭も増えています。だからこそ、「我が家の全体像」を明確にすることがなにより大切なのです。
食費・住居費・教育費などの支出を書き出し、次にお互いの資産額も共有しましょう。収入を把握するだけではなく、家計のルール作りでは「いま、どれだけ資産があるか」を軸に考えることがポイントです。
ステップ② 教育費と老後資金の作り方を決める
次に、教育費と老後資金の作り方を考えます。コツコツ貯金することも大切ですが、投資することも視野に入れて準備してはいかがでしょうか。インフレの局面では、現預金だけだと、実質的な価値が目減りしやすいためです。
例えば、教育費は「リスクを抑えて減らさない」、老後資金は「時間を味方にして育てる」と役割分担すると、お金の守り方・増やし方のルールがはっきりします。
10年以内に必要になる教育費には、預貯金や個人向け国債、学資保険など、元本割れしにくい方法が向いています。10年以上先に使う分は、長期積立・分散投資で備えるのも一案です。ただし、夫婦どちらかが慎重派であれば、その意見をベースに決めたほうが、後々の不満が出にくくなります。
老後資金については、定年まで10年以上あるなら、長期積立・分散投資で準備していきましょう。例えば、35歳から60歳までに2,500万円を用意するには、毎月約4.3万円を年5%で積み立てれば届く試算です(金融庁「つみたてシミュレーター」による計算)。具体的な投資のはじめ方については、こちらの記事も参考にしてください。
ステップ③ お金の管理スタイルを決める
最後にお金の管理スタイルを決めます。「2人の収入を一つにまとめ、2人ともお小遣い制」にするのが、いちばんシンプルで効率的ですが、それが難しい場合は、共通の「生活費口座」と「老後資金口座」を作り、毎月決まった額を入金して管理しましょう。
お金や金融が得意な方が管理を担当しても構いませんが、定期的に相手へ説明し、苦手な側も任せきりにせず状況を把握します。「2人で納得してお金を管理している」状態を保つことが大切です。
また、夫婦ともに定年前までには、財布を一つにしておくのがおすすめです。老後まで完全に別財布のままだと、どちらかが経済的に困ったとき、「どこまで支え合うのか」で揉めるリスクが高くなってしまいます。
衝突を減らす「言い換え」と「30分家計会議」
お金の話は、同じ言葉でも、慎重派には「責められた」、積極派には「投資を否定された」と響いてしまうことがあります。だからこそ、「ダメ出し」ではなく「一緒に考えよう」というスタンスで言い換えてみましょう。
×「教育費は絶対に減らしちゃダメでしょ」
◎「教育費は、いつ・どのくらい必要になりそうか、一緒に確認してみよう」
×「投資しないなんて、もったいないよ」
◎「どれくらい減ると怖いと感じる?」
こんなふうに、「否定」よりも「一緒に見に行く」言い回しに変えるだけでも、冷静に話しやすくなります。
さらに、月1回・30分だけ「家計会議」の時間を持ってみましょう。
①今月気になったことを一言ずつ出す
②生活防衛費・教育費・老後資金の3つの箱のうち、話す箱を1つに決める
③「教育費の積立額を決める」など、テーマも1つに絞る
④次回までの小さな宿題を1つ決める
一度で全部決めようとせず、「今回はここまで」と区切るのがコツです。小さな合意を重ねるほど、夫婦のお金の対話は続けやすくなります。
まずはお金の話を夫婦で始めてみる
夫婦のお金の話は、どちらが正しいかではなく、ズレがあることを前提にまずは始めてみることが大切です。いきなり家計ルールを決めることが難しいのであれば、「1会議1テーマ」の30分家計会議を開催してみませんか。教育費で揉めない、老後で詰まない未来を一歩ずつつくっていきましょう。