はじめに
2025年はほとんどマーケットから無視されていたラーメン株ですが、個人的にはつねにウォッチしていたい業界です。この連載でもたびたび記事にしていますが、2025年12月には、生成AIブームの陰で人気が低迷していたラーメン株を「今こそ注目すべき」と紹介しています。
当時は「人の行く裏に道あり」の格言通り、静かに仕込み時を待つフェーズでしたが、ここのところ世界情勢の混乱もあり、2025年後半には高市銘柄として持ち上げられていた株群から、少し視点が逸れつつあります。
そんな中、ふたたびラーメン株が来るかも!と感じるラーメン御三家のうち2社の決算発表が、3月16日にありました。
ポジティブサプライズの町田商店
まず1社目は、町田商店を展開するギフトホールディングス(9279)。前回、業績は絶好調ながら「PERの高さがネックとなり株価が冴えない」と分析しました。しかし、2026年10月期第1四半期決算は、久々に文句なしのポジティブサプライズとなりました。
売上高106.4億円(前年同期比+25.1%)、営業利益は14.3億円(前年同期比+85.2%)と驚異的な伸びを記録。まだ第1四半期決算でありながら、上期の好調を受け、通期の営業利益予想を従来の43億円から44億円へ引き上げ、5期連続の過去最高益予想をさらに上乗せしています。
今期は、円安に伴う輸入コストの上昇、さらには人件費やコメ・豚肉(スペイン産のアフリカ豚熱による輸入停止影響含む)などの原材料価格の高騰が続く厳しい環境にありながらも、戦略的な価格改定により、客足への影響を最小限に抑制、また、国内8工場体制の拡充や、物流倉庫との最適連携による体制強化、店舗へのIH機器導入による品質安定化などを推進。まさに企業努力が数字として現れています。
翌日17日は、日経平均株価がマイナスで終える中、ストップ高をつけ、一気に上場来高値を更新しました。信用倍率は、0.76倍と売り残のほうが多いため、これをきっかけに踏み上げによってさらに株価が上昇する可能性は高いと読んでいます。
山岡家、驚異の決算と過去最高益予想
そして同日決算発表を行った2社目は、丸千代山岡家(3399)。前回の記事で、わたしが「最も投資妙味を感じる」と結論づけた同社は、期待を裏切らないどころか、さらに強固な安定感を見せつけました。
2026年1月期の売上高は430億円(前年同期比+24.3%)、営業利益46.7億円(前年同期比+26.2%)で着地。ギフトホールディングスほどのサプライズはないものの、このご時世で、二桁増収増益は十分優等生ではないでしょうか?
今期2027年1月期は売上高483億円(前年同期比+12.5%)、営業利益51.8億円(前年同期比+10.8%)と、4期連続で過去最高益を更新見込み、そして増配とかなり頼もしい内容です。
SNSや動画配信で、店舗や商品に関する情報が多数投稿されていることで、知名度が向上し来店客数が増加。既存店売上高は、なんと46ヶ月連続で前年を上回っています。おそらく新規顧客だけでなく、リピーターの支持をがっつり掴んでいるのでしょう。
翌17日の株価は、+6.2%とギフトホールディングスには及びませんが、この地合いの中で大健闘といえます。
苦戦が続く「一風堂」の力の源HD
御三家のうち2社が好調となると、残り1社の力の源ホールディングス(3561)が気になります。前回の分析では「下期の挽回力を確認する必要がある」と述べましたが、直近の第3四半期決算は、依然として厳しい現実が続いています。
2月12日に発表された2026年3月期の第3四半期決算は、売上高は268億円(前年同期比+5.9%)、営業利益17.1億円(前年同期比-17.2%)と増収減益です。苦戦の要因として、海外事業での原材料費・人件費の高騰に加え、治安悪化や異常気象による来店客数の減少が挙げられます。国内事業は増収ですが、人件費等のコスト増により利益率は悪化しています。DX施策やM&Aによるテコ入れを進めていますが、コスト上昇を吸収しきれるか、3月の本決算に向けた正念場が続いています。