はじめに

リバランスの実践手順

資産配分の調整は「リバランス」と呼ばれ、資産配分を当初の設計に近い状態へ戻す作業を指します。先ほどの例のように株式の割合が高くなった場合には、一部を売却して債券や現金に振り分けることで、資産配分全体のバランスを整えることができます。

また、特定の資産への集中にも注意が必要です。例えば、以下のような場合は相場変動の直撃を受けやすくなります。


・1銘柄が資産の20%以上を占めている
・特定地域(例:米国株)が資産の70%以上を占めている


こうした偏りがある場合には、相場変動の影響を受けやすくなるため、分散を意識した見直しを検討しましょう。さらに、資金の使い道によって運用方法を変えることも大切です。一般的な目安は次の通りです。

【資金の運用期間と資産配分の目安】
・5年以内に使う資金:現金・債券などの安定資産
・10年以上の長期資金:株式などの成長資産

リバランスの目的は、短期的な利益を追うことではなく、資産全体のリスクとリターンのバランスを整えることにあります。

ただし、NISA枠を利用してリバランスを行う際には制度上の注意点があります。NISA口座で商品を売却しても、その非課税投資枠は「売却した翌年」にならないと再利用(復活)できません。そのため、すでに年間投資限度額ギリギリまで投資を行っている方がリバランスのために売却し、すぐに別の商品を買い直そうとしても、その年のうちは新しい枠が使えない点に注意が必要です。

取り崩しを見据えた出口戦略

資産形成では「増やすこと」に関心が集まりがちですが、将来どのように取り崩して使うかまで考えておくことが大切です。

資産を長く活用するための目安としてよく知られているのが「4%取り崩しルール」です。これは、資産を運用しながら毎年4%程度を取り崩していくことで、資産が長期にわたって枯渇しにくくなるという考え方です。

例えば現在40代で、20年後の老後資金として資産を準備しているケースを見てみましょう。現在の資産が1,000万円で、運用利回りが年率5%の場合、20年後の資産は複利計算で約2,650万円となります。

この2650万円を4%ルールで取り崩すと、資産が枯渇することなく、年間約106万円(月額約8.8万円)程度の資金を活用できる計算になります。このように、将来の取り崩しをシミュレーションして資産形成を考えることで、現在の資産が将来どの程度の生活資金につながるのかを具体的にイメージしやすくなります。

増えた資産を活かせる資産にする

現在の世界経済は成長の可能性がある一方、地政学リスクや金利動向など不確実性も抱えています。こうした時代に大切なのは、感情に振り回されることなく、資産配分を整えながら長期的な視点で資産を管理することです。

資産が増えたタイミングでポートフォリオを見直し、リスクとリターンのバランスを調整する。その積み重ねが、長期的に安定した資産形成につながります。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward HOME]

この記事の感想を教えてください。