はじめに
介護離職のリスクは「お金」だけではない
介護離職というと、多くの人はまず「お金」を心配します。確かに退職すれば収入は途絶え、退職金や年金額にも影響が出る可能性があります。しかし、相談の現場で見えてくるのは、もう一つのリスクです。
それは「働く機会そのものを失ってしまうこと」です。50代後半で一度仕事を離れると、再び安定した収入を得る働き方に戻るのは簡単ではありません。介護が落ち着いた後、「もう一度働こう」と思っても、希望する条件の仕事が見つからないケースは少なくありません。その結果、介護が終わった後の生活を、想定よりも長く資産の取り崩しに頼ることになる場合もあります。介護はいつ終わるかを正確に予測することができません。だからこそ、「完全に仕事を辞める」前に、働き方を調整する選択肢を検討することが重要です。
介護と老後、両方を守るための「設計」
在宅介護では、介護サービスの自己負担だけでなく、住宅改修費や通院費、交通費など、さまざまな支出が発生します。さらに、介護は数年で終わるとは限りません。
だからこそ、まず会社制度を確認し、複数の働き方を数字で比較すること、そして65歳以降を見据えた長期の資金計画を立てること——この2つの視点が、後悔しない判断につながります。
介護と仕事が重なったとき、退職という選択が必要になる場合もあるでしょう。ただし、その判断は「今の大変さ」だけで決めるものではありません。制度を確認し、数字で比較し、自分の人生後半をどう設計するのか。その視点を持つことが、後悔を防ぐ第一歩になるのではないでしょうか。
「私、同年代より貯蓄が上手にできていないかも…」お金の悩みを無料でFPに相談しませんか?[by MoneyForward HOME]