はじめに

共働き夫婦は、それぞれに収入があることから、支出の項目ごとに担当を分けている家庭も多いでしょう。それぞれの負担が明確で、合理的な方法として取り入れられているケースもあります。

一方で、この分担は、支出や収入に変化があったときに家計全体のバランスが崩れやすい特徴があります。この記事では、共働き夫婦の家計分担で起こりやすい3つの問題と、その見直しポイントを解説します。


項目ごとの分担が、家計全体のバランスを崩しやすい

共働き夫婦でよく見られる「食費・教育費・日用品は私、住宅ローン・車や保険関連はパートナー」という項目ごとの分担は、日々のやりくりをシンプルにし、お金に関する夫婦間のストレスを減らすメリットがあります。

一方で、この分担は「今の収入」「今の支出」を前提に成り立っている点に注意が必要です。家計は、時間の経過とともに収入や支出、ライフステージが変化していくものですが、分担のルールだけが変わらないままだと、以下の3つの問題が起こりやすいです。

〈理由①〉食費・教育費の増加、金利等の上昇で負担が増えていく

項目ごとの分担では、支出の性質によって負担の偏りが生じやすくなります。特に子育て中のご夫婦の場合、食費や日用品、教育費などは、物価上昇や子どもの成長によって増えていく支出です。特に教育費は、進学のタイミングで段階的に大きくなる傾向があります。

一方で、住宅費や保険料などは比較的変動が少ない場合が多いです。そのため、変動しやすい支出を担当している側の負担が増えていきます。「同じように分担しているはずなのに余裕に差が出ている」と感じる原因になります。また、住宅費も必ずしも固定とは限りません。変動金利で住宅ローンを組んでいる場合は、金利の上昇によって返済額が増える可能性もあります。住宅ローン控除の期間が終了して税負担が増す、あるいは新築住宅の固定資産税の減額期間が終わって支払い額が増えるなど、固定的に見えていた支出が増えることで、想定していなかった負担が生じるケースもあります。このように、どちらが担当しているかにかかわらず、「支出の増え方の違い」が家計の偏りを生む要因になります。

〈理由②〉家族全体の貯蓄の進捗が見えず、将来資金が不足しやすい

項目ごとの分担は、「将来的にいくら必要で、いくら準備できているのか」が見えにくくなる側面もあります。特に、家計として計画的に備えておきたい支出は、大きく分けて以下の2つです。

数年以内に発生するまとまった支出

車の買い替えや家具家電の購入、旅行など、数年以内に発生する特別支出は高額になりやすく、計画的に準備されていないケースも少なくありません。それぞれの分担の中でやりくりしていると、「どこまで備えられているか」が曖昧なままになり、タイミングが重なったときに負担が大きくなることもあります。

教育費や住宅、老後など中長期的に準備するお金

教育費や住宅購入の頭金・諸費用、老後資金といった支出は、本来は時間をかけて計画的に準備していく必要があります。しかし、項目ごとに分担をしている場合、「どちらがどの程度貯蓄するのか」が曖昧なままであったり、相手に任せきりとなっていたり、家族全体としての準備状況が見えにくくなることがあります。

〈理由③〉収入減や働けなくなるといったリスクへの備え

産休・育休や時短勤務による収入減、どちらかが働けなくなるようなケースでは、これまでの分担がそのまま続けられなくなる可能性があります。例えば、食費や教育費など日々の支出を担当している側の収入が減った場合、もう一方に急に負担がかかることもあります。住宅ローンなど大きな固定費を担当している側に変化があった場合は、これまで通りの返済が難しくなる可能性があります。

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