はじめに
為替介入があっても、見るべき順番は変わらない
今回のように、為替介入とみられる動きがあると、ドル円は短時間で大きく動きます。160円台まで進んだ円安が、短時間で155円台まで円高方向に振れれば、投資家心理も大きく揺れます。
ただ、より大切なのは、為替介入の有無だけで資産配分を変えないことです。為替介入は、急激な為替変動を抑えるために行われるものです。それだけで円安トレンドそのものが完全に反転するとは限りません。為替の方向性は、日米の金利差、物価、景気、財政、地政学リスクなど、複数の要因で決まります。だからこそ、為替介入があったかどうかだけを見て、資産配分を変えるのは危険です。
「円安になったから外貨資産を増やす」「円高になったから外貨資産を減らす」という判断を繰り返すと、投資の軸が相場の値動きに引っ張られます。長期投資で本当に確認すべきなのは、為替の次の方向ではなく、自分の資産がどの通貨に偏っているかです。
円安が怖いなら、まず円建て資産と外貨資産を分けて確認する。円高が怖いなら、外貨資産を持ちすぎていないか確認する。近く使うお金があるなら、それは円で確保する。
この順番を飛ばして、いきなりオルカンの積立額だけを増やしても、家計全体のリスク管理にはなりません。
焦って買う前に、一度だけ書き出してみる
円安対策としてオルカンを増やす前に、まず手元の資産を3つに分けて書き出してみてください。
1つ目は、すぐに使う可能性がある円の資金です。生活防衛資金、数年以内に使う教育費、住宅関連資金などがこれにあたります。
2つ目は、円建てで保有している資産です。預貯金、日本国債、円建て保険、退職金見込みなどです。
3つ目は、為替の影響を受ける資産です。オルカン、S&P500型投信、外国株式、外貨建て債券、外貨預金などです。
この3つを分けるだけで、自分が本当に円安に弱いのか、すでに外貨資産を十分に持っているのかが見えてきます。
資産の大半が円建てで、長期で使わないお金があるなら、オルカンの積立を続けることや、無理のない範囲で増やすことには意味があります。一方で、すでに外貨資産が大きく、資産全体の半分以上を占めているなら、円安ニュースを見て焦って買い増す必要はありません。その場合に必要なのは、追加投資ではなく、全体のバランス確認です。
オルカンは、長期投資の有力な選択肢の一つです。ただし、優れた商品であっても、家計全体の中で持ちすぎればリスクになります。
円安のニュースを見て焦ったときほど、積立額を変える前に、まず資産全体を円建てと外貨資産に分けて書き出してみてください。何を増やすかを考えるのは、その数字を確認してからでも遅くありません。
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