はじめに
老後の計画も、これまでの延長では考えにくくなっている

以前は、老後についてももう少し穏やかなイメージを持てた人が多かったのではないでしょうか。
「老後は年に一度くらい海外旅行を楽しみたい」「夫婦で早めに仕事を引退して、のんびり暮らしたい」といった計画も、以前ほど現実味を持ちにくくなっています。円安や世界的なインフレによって、海外での滞在費や移動費は大きく上がりました。国内旅行でさえ、宿泊費や交通費の上昇を感じる場面が増えています。
こうした変化を前にすると、これまでの老後計画をそのまま延長して考えるのは危ういのかもしれません。
「いくら貯めれば安心か」だけでは生活設計を描きにくい
「いくら貯めたら安心か」という発想だけではなく、「どのように働き続けるか」「どのように収入源を分散するか」「どの資産を持つか」「どの支出を優先するか」まで含めて、生活設計を見直す必要があります。
特に大切なのは、早くリタイアすることだけを目標にしすぎないことです。
もちろん、経済的自由を目指すことは素晴らしいことです。ただ、これだけ社会の変化が速い時代には、「一度引退したら終わり」というよりも、細く長く働きながら、自分のペースで収入を得続ける力の方が安心材料になるかもしれません。
株価が下がっても生活コストが下がらない局面に備える
投資も同じで、一度大きく増やして終わりではなく、相場の波に付き合いながら長く資産を育てていくことが重要です。
今は株高の局面であっても、景気には必ず波があります。株価が上がる時期もあれば、下がる時期もあります。問題は、不景気になったときに、物価高や円安の影響まで同時に受ける可能性があることです。
株価は下がる、でも生活コストは下がらない。そういう局面が来たときに、家計や資産がどれだけ耐えられるかを考えておく必要があります。