はじめに
夫婦で年金生活を送る中、「もし夫に万が一のことがあったら、家計はどう変わるのだろう」と不安になる方も多いのではないでしょうか。真っ先に思い浮かぶのは遺族年金ですが、企業年金やiDeCo、個人年金保険も家計に大きく影響します。制度によって「終了するもの」「引き続き受け取れるもの」「一時金になるもの」は異なります。公的年金以外も含めて、夫の死亡後に受け取れる可能性のあるお金を整理してみましょう。
夫が亡くなると、公的年金はどうなる?
まず押さえておきたいのが、公的年金の扱いです。夫が受給していた老齢基礎年金や老齢厚生年金は、本人が亡くなると支給が終了します。妻が夫の老齢年金をそのまま引き継いで受け取れるわけではありません。
「遺族年金があるから大丈夫」と思っている方も多いですが、実際にはそう単純ではありません。遺族年金は、遺族となった配偶者の年齢や自身の年金加入状況、18歳到達年度末までの子どもの有無などによって、受給できる年金や金額が異なります。家族構成や年齢によって状況は大きく変わります。
なお、本記事では夫が亡くなった場合を例に説明していますが、妻が亡くなった場合も基本的な考え方は同様です。遺族厚生年金については男女差を解消するための見直しが行われており、2028年4月から段階的に施行される予定です。本記事では公的年金の詳細には立ち入りませんが、公的年金以外の年金関連資産も合わせて確認することが大切です。
会社の企業年金(DB・企業型DC)はどうなる?
退職後、公的年金に上乗せする形で企業年金を受け取っている人も少なくありません。「企業年金」とひとくくりにされがちですが、死亡後の扱いは制度によって異なります。
・DB(確定給付企業年金)の場合
DBは、あらかじめ定められた給付額を受け取る企業年金制度です。配偶者が受給中に亡くなった場合の取り扱いは制度ごとに異なります。例えば、遺族年金が支給されるケース、死亡一時金が支給されるケース、本人死亡で給付終了となるケースなどがあります。まずは配偶者の加入していた制度の運営団体に確認してみましょう。
・企業型DC(企業型確定拠出年金)の場合
企業型DCは、会社が拠出した掛金を加入者自身が運用する制度です。死亡時には、運用資産を換金したうえで、遺族に「死亡一時金」として支払われます。年金として引き継ぐのではなく、まとまったお金として受け取る仕組みです。遺された家族が制度の存在を把握していないこともあるため、注意が必要です。