はじめに
政策テーマ投資で確認したいリスク

一方で、政策テーマを見るうえでの注意点もあります。
まず、政策期待だけで株価が上がった銘柄は、業績が追いつかなければ反落しやすいということです。
特に小型株では、「〇〇関連」として急に買われることがあります。しかし、実際の売上規模が小さかったり、利益貢献まで時間がかかったりする場合、人気が一巡すると株価は下がりやすくなります。
次に、金利上昇リスクです。
政府が成長投資を進めることは、株式市場にとって追い風になりやすい面があります。一方で、財政支出の拡大は国債需給や長期金利への警戒にもつながります。金利が上がると、高PERのグロース株には逆風になりやすくなります。
また、これまで意識されてきた「財政健全化」という表現が前面に出にくくなり、代わりに「責任ある積極財政」や「強い経済」に軸足が移っているようにも見えます。政策テーマ株には追い風になりやすい一方で、財源が見えにくい場合には、国債増発、長期金利上昇、円安、財政悪化懸念が市場で意識される可能性があります。
今回の骨太方針は、成長投資と財政の持続可能性の両立を掲げていますが、投資枠の規模、つなぎ国債の償還の道筋、経済成長率の前提については、年末の予算編成に向けて見極めが必要です。
第一ライフ資産運用経済研究所も、「強く豊かな日本」投資枠の規模や償還の道筋、経済前提の妥当性が今後の注目点になると指摘しています。
長期コアとサテライトの分け方
個人投資家の場合、政策テーマを全部追いかける必要はありません。むしろ、自分が理解できる分野に絞った方がよいと思います。
長期投資のコアとして考えやすいのは、電力インフラ、防災・国土強靱化、防衛大手、通信インフラ、サイバーセキュリティ、物流インフラなどです。これらは政策の継続性があり、実需にも結びつきやすい分野です。
一方で、宇宙、量子、フュージョンエネルギー、バイオ、創薬、フードテック、コンテンツなどは、将来性は大きいものの、業績化まで時間がかかる企業も多くあります。こうした分野は、ポートフォリオの中心に置くというより、サテライトとして少額で見ていく方がリスクを管理しやすいと思います。