はじめに

この連載で5月に「オリエンタルランドとサンリオが株価低迷、『いつか上がる』は報われるのか」を書いたとき、オリエンタルランド(4661)は2,223円、サンリオ(8136)は909円まで沈んでいました。あのときわたしは「安いから買いは危険」「信じて持ち続けるのは、もしかしたら執着かもしれない」と、かなり厳しめに書いた記憶があります。

それから2カ月あまり。オリエンタルランドは7月に入って一時2,745円まで値を戻し、サンリオも年初来高値を更新して1,200円台まで回復しています。あれほど「いつ底を打つのか」とモヤモヤしていた2銘柄が、なぜここへきて息を吹き返しているのか。決算の中身と相場全体の資金の流れの両面から、冷静に理由を分解してみたいと思います。


サンリオ:不祥事の霧が晴れ、過去最高益を改めて評価

サンリオは5月に予定していた決算発表を延期し、元常務による不適切な報酬受給問題(総額約2億5,000万円)の調査を進めていました。6月23日にようやく開示された2026年3月期決算は、売上高1,940億円(前期比33.9%増)、営業利益778億円(同50.3%増)と過去最高を更新。しかも中期経営計画の最終年度目標だった売上高1,750億円・営業利益650億円以上を、1年前倒しで大きく上回ってきました。2027年3月期も売上高2,298億円(同18.4%増)、営業利益895億円(同15%増)とさらなる増収増益を見込んでいます。

不祥事そのものは軽い話ではありませんが、特別調査委員会の報告、再発防止策、社長・専務の報酬一部返納までが一つのパッケージで開示されたことで、「先が見えない」という株価の重しがいったん取り除かれた格好です。決算内容の強さも相まって、アナリストの目標株価は平均1,499円まで切り上がり、強気買いが大勢を占めるまでに評価が変わりました。

国内外の物販・ライセンス事業がハローキティだけでなくクロミやシナモロールなど複数キャラクターで底上げされている点も、腰の据わった評価につながっています。あわせて、役員報酬を業績目標の達成度に連動させる新しい株式報酬制度の導入も株主総会にはかられており、ガバナンス強化への本気度を示す材料として受け止められています。

オリエンタルランド:値上げ余地への期待が上昇要因か

一方のオリエンタルランドは、4月の決算説明会で「入園者数の伸びはもう天井では」との質問に対し、明確な否定はせず含みを残していました。実際、2026年3月期は増収ながら営業利益は2.1%減、2027年3月期予想も4.5%減とコスト増が重しになっています。

それでも7月に入り、東京ディズニーリゾートのチケット上限を10月から現行の1万900円から1万2,400円へ引き上げるとの報道が流れると、株価は9営業日続伸。値上げによる客単価の押し上げ期待が、コスト増懸念を上回った形です。加えて2028年度に就航予定の日本発のクルーズ事業を担う新会社を4月に設立したほか、東京ディズニーシー25周年イベントや、スペース・マウンテンなどリニューアル中のアトラクション再開によるキャパシティ回復も、来期以降の成長材料として意識され始めています。

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