はじめに

背景にあるAI・半導体からの資金シフト

両社に共通するのが、相場全体の地合いの変化です。7月13日には韓国KOSPIの急落・サーキットブレーカー発動をきっかけに、キオクシアをはじめとする主要な半導体関連株に売りが広がりました。これまで日本株全体を牽引してきたAI・半導体テーマに「そろそろ天井では」との警戒感が意識され始めたタイミングです。

その裏側で、小売りやエンタメ、外食といった内需株、いわゆるディフェンシブセクターに資金が向かいました。オリエンタルランドが同じ7月13日、全体安の中で8連騰を記録したのは、まさにこの資金シフトの象徴といえます。サンリオについても「コンテンツ株はAIに代替されない」という見方が市場に広がり、AI・半導体株から物色が波及する形で年初来高値を更新しています。つまり両社の株価回復は、業績そのものの改善に加えて、AI相場の過熱一服にともなう資金の逃避先として選ばれた側面が小さくないと考えられます。

投資家として注目したいポイント

サンリオは、不祥事の再発防止策が実行フェーズでどう機能するか、そしてハローキティ以外のキャラクターの稼ぐ力がどこまで続くかが焦点です。中国との関係悪化や海外セグメントの伸びしろも、引き続きチェックしておきたい変数です。

オリエンタルランドは、10月のチケット価格改定の具体的な内容と、それが客数を落とさずに客単価を押し上げられるかどうかがカギになります。アトラクションのリニューアル完了によるキャパシティ回復のタイミングと、クルーズ事業の進捗も、中長期の株価材料として見ておきたいポイントです。

どちらも業績が良いから上がったというより、不透明感が晴れたタイミングで、たまたま資金の受け皿になった側面が強く、資金シフトはいつか反転する可能性もあるため油断は禁物です。また、どちらも長期間下落に耐えたホルダーさんのやれやれ売りが出やすいことにも警戒は必要。とはいえ、かつての優等生銘柄ふたつが復活すれば、半導体株に乗り切れなかった投資家にとっても明るいニュースになりそうです。

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