はじめに
半導体株安の中の逆行高という構図
7月13日の韓国KOSPI急落・サーキットブレーカー発動をきっかけに、AI・半導体関連株には売りが広がりました。7月17日にはキオクシアが大幅安となる一方でサイゼリヤは続伸するなど、同じ日でも値動きの明暗がくっきり分かれています。前回の記事で取り上げたオリエンタルランドやサンリオの反発も、まさにこの資金シフトの延長線上にありました。
前回記事:過去最高益の「サンリオ」9連騰の「オリエンタルランド」かつての優等生銘柄の復活は本物か
AI相場の過熱一服にともなう資金が、テーマパークやキャラクターグッズだけでなく、外食という「毎日の生活に直結する内需株」にも向かい始めている、というのが今回のサイゼリヤの上昇からも見えてきます。値上げ表明という自社材料と、セクターローテーションという外部要因が重なったことが、ストップ高からの連日高につながったとみられます。
メニューを見て感じたこと
久しぶりにメニューを確認すると、辛味チキン273円、エスカルゴのオーブン焼き364円、ミラノ風ドリア273円、グラスワイン91円(すべて税抜き)とやはり驚くほど安いままです。ランチ代1,000円オーバーが当たり前になってきた昨今、この価格帯は家計にとって依然として大きな支えです。多少の値上げをしても他社との価格優位性は揺るがないのではないかと、実際にメニューを見てあらためて思いました。
今後は、10月以降に予定される価格改定の具体的な対象商品・地域と、それによる客数への影響が最大の焦点です。全国一律ではなく都市部中心になるとの見方もあり、実施範囲次第で増益インパクトは変わります。また海外セグメントはアジアの営業利益が前年比6.3%減となっており、国内の好調さに比べると伸び悩みが見られる点も確認しておきたいところです。通期計画に対する進捗はすでに営業利益で7割超まで来ており、本決算での上振れ余地があるかも注目です。
もう一点、短期間で株価が急伸したぶん、バリュエーション面での過熱感には注意が必要です。増配後も配当利回りは0.5%程度にとどまり、値上げによる増益期待をどこまで織り込んでいるかは、10月の正式発表を待って答え合わせをする必要があります。「値上げしない」という看板を長年守ってきた会社だけに、実際の価格改定幅と客数への影響は、次の決算で最初の検証ポイントになりそうです。
投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward HOME]