はじめに
“なんとなく不安”を判断材料に変える3つの視点
いくつもの要素が絡み合っているからこそ、迷いをそのまま抱え込むのではなく、次の3つに分けて考えると、状況が整理しやすくなります。
一つ目は、お金です。「ねんきん定期便」(毎年誕生月に届く、これまでの加入実績や将来の年金見込み額を知らせる通知)で自分の年金見込み額を確認し、想定する生活費との差額を出してみると、「なんとなく不安」だったものが「毎月いくら不足するのか」という具体的な収支の見通しに変わります。数字になった時点で、「あとどれくらい働けば埋まるか」「資産をどう取り崩すか」といった対策も立てやすくなります。
二つ目は、健康と時間です。SNS上の投稿を見ても、退職を後押しする一番の理由は「元気なうちに自由な時間を楽しみたい」という気持ちであることが多いようです。厚生年金に加入して働き続ければ将来の年金額が増え、受給開始を66歳以降に遅らせる「繰下げ受給」(受給開始を遅らせる代わりに、月々の受給額が増える制度)を選ぶ手もあります。ただし、働くことが生活リズムやつながりを支える面がある一方で、健康なうちにしかできないことを優先したいという気持ちも、同じくらい大切な判断材料です。
三つ目は、家族です。退職時期や暮らし方は、一人で決められることではありません。数字の話をする前に、お互いがどんな暮らしを望んでいるのか、それぞれの時間をどう持ちたいのかをすり合わせておくことが、後々の行き違いを防ぐことにつながります。
退職の時期に、唯一の正解はありません。同じ年齢でも、年金額も健康状態も家族の事情も違うからです。だからこそ、他人の退職時期ではなく、自分の暮らしを基準に考えることが、迷いを少し小さくしてくれるのではないでしょうか。
老後資金は失敗できない!あなたが今からできる資産形成の始め方、お金のプロに無料で相談![by MoneyForward HOME]