はじめに
以前、荒れる株式市場でもリユース業界が堅調という話を紹介しました。その流れは続いていますが、今回は、とくに海外展開に力を入れているリユース会社にフォーカスします。
参考記事:増収増益の「バイセル」「コメ兵」「トレファク」でも株価は対照的? 明暗を分ける要因
なぜ今、海外なのか
物価高やブランド品の値上げによる節約志向、環境配慮を意識したエシカル消費、フリマアプリの普及による中古品への抵抗感の低下、そしてインバウンド客の「Used in Japan」人気。これらが重なり、国内のリユース市場自体は追い風が続いています。ただし国内だけでは出店余地に限りがあるため、各社は海外を次の成長エンジンと位置づけています。
昨今、世界中で物価上昇が続いているため、地球規模で節約志向は高まっています。世界のリユース市場規模は今後10年で5倍以上になるとの概算もあります。
そのため、日本のリユース業者は、AIを使った査定の精度向上や現地スタッフの教育など「日本流」のノウハウを武器に、海外需要を取り込もうと積極的に展開しています。国内では人材確保や店舗の飽和が課題になりつつある一方、海外では効率化次第でまだ旺盛な需要を取り込めるとの期待が大きいのです。
海外展開を積極的に強化しているリユース会社としては、ゲオHD(2681)、バリュエンスHD(9270)、コメ兵HD(2780)が挙げられます。
ゲオHDは2030年3月期までに米国・台湾で100店体制を目指すほか、バリュエンスHDは2030年8月期までに海外150店体制、コメ兵HDも台湾・シンガポール・香港へ展開を広げています。
規模のゲオHD、今期は増収減益予想に注意
最大手のゲオHDは、2026年3月期に売上高4,812億円(前期比12.5%増)、営業利益142億円(同26.6%増)と大幅増益を達成しました。ただし2027年3月期の会社計画は、賃上げや物価高、出店費用の増加を理由に、売上高5,100億円(同6.0%増)ながら営業利益130億円(同8.7%減)の増収減益を見込んでいます。
もっとも直近発表された第1四半期は営業利益が前年同期比32.8%増と好スタートで、会社計画自体が保守的な可能性もあります。株価も8月に入り2,390円近辺まで戻すなど、2024年末の1,600円台から底堅く回復してきています。
長期的には2035年度に売上高1兆円、海外1,000店を含む5,000店体制を掲げており、AI活用によるブランド品の適正価格自動算出システムなども導入が進んでいます。
高成長のバリュエンスHD、AI査定で海外現地化を加速
高級ブランド品・骨董美術品に特化するバリュエンスHDは、2026年8月期第3四半期の営業利益が前年同期比4.1倍と急拡大しています。
すでに海外13カ国に進出済みで、査定面では型番や状態を入力すると過去の取引実績を基に参考価格を算出する仕組みを整備し、現地社員の育成では2024年以降、日本からの駐在社員が「日本式接客」をロールプレイ形式で直接指導を行う体制を進めています。
株価は4月に2,791円まで買われたあと調整し、8月24日時点では2,100円付近で推移しています。時価総額は300億円弱とまだ小さく値動きが大きいぶん、成長期待を素直に織り込みやすい銘柄ともいえます。