はじめに

5つの考え方を踏まえた資産配分

図

したがって、ひとつの参考形としては、「株式45〜55%、現金・短期債20〜25%、金10〜15%、資源・インフレ関連5〜10%、中期債など5〜10%、Bitcoinなど0〜3%」程度の組み合わせが考えられます。これは正解の配分ではなく、ダリオ氏のリスク認識を取り入れながら、株式市場の上昇余地も捨てない設計です。

資産配分を変える判断材料となる市場サイン

重要なのは、この配分以上に「何が起きたら変更するか」を決めておくことです。米長期金利が上昇しているのにドルが下落し、同時に金が上昇する場合は、米国債への信認を疑うサインとして重く見ます。さらに国債入札が弱くなり、財務省の買い戻しやFRBによる国債購入が拡大するなら、金や現金などの比率を引き上げる判断がしやすくなります。

反対に、景気後退によってインフレが沈静化し、財政不安ではなく景気悪化を理由に長期金利が大きく低下するなら、債券を買い戻す余地が出てきます。つまり「債券は持たない」と固定するのではなく、金利上昇の理由を見ることが重要です。

もう一つ大切なのは、ダリオ氏が示す「約3年、前後2年」という1〜5年程度の時間軸を予言として使わないことです。債務問題は政策によってかなり長期間先送りできます。財政赤字削減、増税、金融緩和、規制変更などによって、危機になるまでの時間は大きく変わります。

最終的には、見るべきものを絞っておくとよいと思います。米10年・30年債利回り、ドル、金、米国債入札、FRBのバランスシート、米財務省の国債発行年限。この6つです。このうち複数が同時に「長期国債から資金が逃げている」と示し始めたときに、初めてポートフォリオの守りを一段強くする。この程度の慎重さが、ダリオ氏の警告を個人投資家が実際の運用に落とし込むうえでは、最も使いやすいと思います。この記事が少しでも皆様の投資の参考になれば幸いです。

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