はじめに

その教育費は必要か?

ご相談者さんが大切に育てているお子さん達。長女さんは文系志望、次女さんは理系志望で獣医学部への進学を希望しています。私立の中高一貫校への進学はその途中経過であり、芸術系の習い事や乗馬も教養を養うためのものでしょう。

離婚前の家計や、離婚後でも月額15万円の養育費を受け取っている間は成り立った教育コースですが、これまでお話しした通り、現在の家計では無理があります。

次女さんが本当に獣医師を目指すなら、教育費の一番のかけどころは大学の学費と予備校代です。国立大学の獣医学部は、学費の魅力がある分、とても狭き門。高校の授業料以外に予備校代もかかりますね。国立の場合、全国に範囲を広げてひとり暮らしになる可能性が高くなります。進学後は勉強に集中できるように仕送りも必要になるでしょう。学費だけではなく、こうした支出まで見込んでおく必要があります。

教育費は目先よりもゴールが肝心

「私立しか受からなかった場合には浪人、教育ローン、奨学金などの方法を組み合わせて考える」とありますが、教育ローンは親の借金、奨学金は子どもの借金です。借りた後の返済は、親にとって老後資金準備の妨げとなり、子どもにとっては未来への貯蓄の妨げになります。利用するにしても金額はできるだけ減らしたいところです。

次女さんはまだ小学生。私立中学への進学を辞めれば小5、小6の季節講習80万円が不要になり、その後の私立中学の学費もかかりません。目先の教育費を大幅カットして、浮いたお金で理系進学、獣医学部進学に向けた積立を始めてください。

「月の教育費6万円」を基準に考えると、長女さんの私立中学は予算オーバーな選択です。ただ、すでに受験を終えて中学に進学していることと、高校は私立高校の授業料助成もあるので継続を前提に考えます。中学・高校の学費が多くかかりますが、将来は文系希望。学資保険で400万円は確保できているので私大の授業料のベースはできています。それでも年間30~50万円程度は補う必要がありますが、高校までかかっていた学費をスライドすれば学費は準備できるでしょう。ただし、私立中高を継続する場合は、いまの習い事の継続は難しいと考えましょう。親子での話し合いが必要です。

目先の教育を見直しても、将来の教育費を計画的に準備することが、真にお子さんのためになります。

貯金を取り崩さずに、家計から特別支出に備えよう

もう一つ、見逃せないのが、今後の特別支出の多さです。数年のうちに家電の買い替え35万円、浄化槽から下水道の引き入れ工事45万円、車の買い替え100万円を予定しています。合計180万円の支出になりますがこれらはすべて普通預金の取り崩しで賄う予定といいます。

毎月4万円の赤字家計で貯蓄ができないなか、今ある貯蓄を取り崩す予定が続いています。これでは老後資金準備どころではありません。

一方、理想の家計プランを実行すれば、月々4万円ずつ特別支出用にお金を取り分けられます。年間48万円になるので、4年間あれば今ある普通預金を取り崩さずにこれらの支出をカバーできます。

今のままでは家計が破綻。今すぐ家計を再構築して

今回のご相談はもともと「子どもの教育費に影響を与えずに老後資金を形成していきたい」ということでした。運用の中身自体はいいと思いますが、大きな問題点は運用額が少ないこと。利回りを求めて積立投資をしていても、一方でいまある普通預金をどんどん取り崩していては、お金は減るばかりです。

次女さんが6年間の大学を終えたとき、ご相談者さんは62歳。60歳以降は収入が大きく減少する人が多いのですが、そんななかで貯蓄が底をつき、住宅ローンと教育ローンの返済を抱えている状態になっては困ります。

お子さんが安心して大学に通い、社会人として羽ばたけるように、いますぐ家計を再構築してください。そのために、途中の進学コースや習い事が変わることになりますが、それは、必ずお子さんたちのためになります。

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