はじめに

伊藤園(2593)が9月1日に発表した2027年4月期第1四半期決算をきっかけに、株価が年初来高値をつけました。実はこの数カ月、抹茶原料の高騰を背景に「値上げが進まず株価も渋い」などと揶揄されるほど株価は底値圏に沈んでいました。そこからの反転は本物なのか、決算の中身を見ていきます。


前期は「まさかの93%減益予想」からの苦しい1年

伊藤園の直前期(2026年4月期)は波乱の年でした。期の途中、通期純利益予想を当初計画の160億円から、なんと約93%減の10億円へ大幅下方修正。原因は、抹茶原料をはじめとした茶葉価格の高騰と、自動販売機事業での135億円の減損損失です。自販機での飲料販売数量も前年比14%減少するなど、収益力の低下が深刻でした。最終的な着地は純利益34億円(前期比75.5%減)と、下方修正時よりは持ち直したものの、依然大幅減益でした。売上高自体は5.3%増と伸びていたので、稼ぐ力自体を失ったわけではなく、コスト増と特別損失が利益を大きく圧迫した1年だったといえます。

1Q決算はなぜ好調だったのか

そこから迎えた今回の第1四半期は、売上高1,352億円(前年同期比3.3%増)に対し、営業利益は102億円(同22.0%増)と、増収率を大きく上回る増益になりました。営業利益率も6.4%から7.5%へ改善しています。背景は主に3つです。1つ目は国内外での価格改定の浸透。2つ目は前期の自販機減損に伴う減価償却費の軽減(全社で22.2億円→16.0億円)。3つ目は、5月に自販機関連事業を統合して設立した「伊藤園ネオス」による営業エリア・配送網の最適化です。海外でも「お〜いお茶」の販売が好調で、飲料の販売数量が前年比25%増、ティーバッグも13%増、お~いお茶に関しては、北米・ASEANともに二桁成長を記録しました。

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