はじめに

「使わなかったらもったいない」に応える保険もある

とはいえ、ここで最初の疑問に戻ります。

「介護にならなかったら、払い続けた保険料がもったいないのでは?」

実は、最近の民間介護保険には、こうした気持ちに応える仕組みを持った商品もあります。

たとえば、一定の年齢まで介護保険を使わず元気に過ごした場合、それまでに払い込んだ対象となる保険料相当額を、いったん受け取ることができるタイプです。仮に60歳で加入し、80歳まで介護給付を受けなかったとします。

その場合、80歳の時点で、それまでに支払った対象保険料相当額を受け取る。そして重要なのは、お金を受け取ったからといって、そこで介護保障がなくなるとは限らないということです。

その後も保険料を払いながら、一生涯の介護保障を続けられる仕組みの商品があります。さらに、80歳までに介護状態になった場合でも、「一度介護年金を受け取ったから、戻ってくるお金はゼロ」というわけではありません。

それまでに払い込んだ対象保険料相当額より、受け取った介護年金などの対象給付額が少なければ、その差額を所定の時期に受け取れる仕組みになっているものもあります。

たとえば、それまでの対象保険料相当額が300万円で、介護年金として受け取った対象額が100万円だったとすれば、所定の計算に基づき、その差額に相当する部分を受け取れる、という考え方です。

もちろん、実際の計算方法や対象となる保険料・給付金、受取条件は商品によって異なりますので、契約前の確認が必要です。

いいことばかりのようですが、もちろんデメリットもあります。

掛け捨ての介護保険と、保険料が戻ってくる介護保険では毎月支払う保険料がかなり違います。介護状態になる人が増えているとはいえ、介護状態にならずに天寿を全うする方もたくさんいらっしゃいます。

元気で所定の年齢に達した方には、対象となる保険料相当額を還付する仕組みですから、その分、掛け捨ての介護保険に比べて保険料は割高になります。その点も踏まえ、選択は慎重に行いましょう。

保険料払込免除の有無

もう一点、介護保険を選ぶときにぜひ確認してほしいのが「保険料払込免除」です。
介護保険の中には、所定の介護状態になって介護年金などの給付対象となった後は、以後の保険料を支払わなくても保障を継続できる商品があります。

介護状態になれば、家族が介護に割く時間が増え、収入が減ることがあり、病院や施設へ通う交通費など、支出が増える可能性があります。そんなときに、「介護保険の保障を受けるために、これからも保険料を払い続けなければならない」のは大きな負担です。

介護が必要になったときこそ保険料の負担がなくなり、その後も保障が続く。この仕組みは、長期間にわたる介護に備えるうえで大切なポイントですから、申し込みの前には必ず確認しておきましょう。

「貯める」と「保険で備える」は役割が違う

それなら、介護保険に払う予定のお金を自分で貯めておけばいいのではないか。これもよくいただく質問です。もちろん、十分な資産があり、介護に必要なお金を自分で準備できるのであれば、それも立派な選択肢です。

ただし、貯蓄には一つ弱点があります。それは、お金が十分に貯まる前に介護が始まるかもしれないことです。毎月1万円を20年間貯めれば240万円になります。しかし、準備を始めて3年後なら36万円です。

一方、保険は契約し、所定の保障が始まれば、まだ支払った保険料が少ない時期に介護状態になったとしても、契約内容に応じた保障を受けることができます。これが「貯蓄」と「保険」の大きな違いです。

介護になったときには、長く続いても困らないように。そして介護にならなかったときには、元気に長生きした自分のために。どちらの未来になっても、お金を役立てられる準備をしておく。

「介護は心配。でも、使わなかったら保険料がもったいない」そんな理由で介護保険を後回しにしている方は、一度、今の民間介護保険にどんな選択肢があるのかを確認してみてはいかがでしょうか。保険料を払いすぎていませんか? お金のプロがあなたにあった保険を診断 [by MoneyForward HOME]

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