はじめに

日米の株式市場では、米国の雇用統計発表や半導体大手の決算を通過し、ハイテク株を中心に買戻しの動きが見られるなど相場の潮目が揺れ動いています。 マネーフォワード MEのYouTubeチャンネル「ME STUDIO」で配信されている「大川 & Nobbyの聴くだけ投資」では、クオンツアナリストの大川智宏氏とDJ Nobby氏が最新マーケットの裏側を解説しています。

今回は、予想を下回った米雇用統計の受け止め方から、マイクロンの好決算が示す半導体市場の需給、株価が約20%急騰したアクセンチュアの決算とソフトウェア株の見直しの潮流、大川道場で取り上げる「サッポロホールディングス」の構造改革まで、資産形成に役立つ着眼点をお届けします。

【記事の要点】
・米雇用統計が市場予想を下回ったものの数値のブレが激しく、急激な景気減速ではなく過度な利上げ警戒感の後退としてハイテク株の上昇につながっている。
・アクセンチュアが好決算を受けて一時約20%急騰し、生成AIの普及によってクラウドやソフトウェア企業が駆逐されるという懸念が行き過ぎであったことが実証されている。
・大川道場ではサッポロホールディングスを取り上げ、酒税法改正に伴う減税効果や不動産事業切り離しによる本業集中への取り組みが注目されている。

米雇用統計は予想下振れも景気急冷にあらず。過度な利上げ警戒感の後退

先週の金融市場で注目を集めたのが米国の雇用統計です。非農業部門雇用者数は予想の8万〜10万人増を下回る2万9,000人増にとどまり、失業率も4.2%へ上昇しました。前回数値の改定や民間のADP雇用統計との乖離も見られ、データのブレが激しい状態が続いています。

単月の下振れのみをもって米国経済が急激に減速していると判断するのは時期尚早といえます。市場では年内の大幅な追加利上げ観測が後退し、金利上昇が一服したことで、株式市場ではハイテク株を中心に買戻しが優勢となる展開が見られました。

マイクロンの超好決算と「NVIDIA」など半導体銘柄の需給と見方

半導体・メモリ市場では、米マイクロン・テクノロジーの決算が市場予想を大幅に上回る強い内容となりました。粗利率も高水準を維持しており、データセンター向けの需要が引き続き旺盛であることが確認されています。

株価は一時的な利益確定売りも見られましたが、出荷数量は好調を維持しています。特に競合が少ない分野で圧倒的なシェアを持つNVIDIAなどのトップ企業は、相場全体の調整による下落局面においては、中長期の視点から関心が集まりやすい構造となっています。

アクセンチュアが約20%急騰!「AI×ソフトウェア」高収益化の実態

ITコンサルティング大手のアクセンチュアが決算発表を経て株価が一時約20%急騰し、大きなインパクトを与えました。AI関連のソリューション事業が大幅に拡大しており、AI人材の拡充も加速しています。

これまで市場では「生成AI普及により既存のソフトウェア企業が不要になる」という懸念から関連銘柄が売られていました。しかし、セールスフォースやアクセンチュアの業績が示すように、AIは既存サービスの付加価値を高め開発効率を向上させるツールとして機能しており、ソフトウェア分野の見直しが進んでいます。

大川道場:酒税法改正と不動産切り離しを進める「サッポロHD」の着眼点

番組後半の「大川道場」コーナーでは、ビール大手の「サッポロホールディングス(2501)」が取り上げられました。酒税法改正によってビール類の税率が一本化へ向かう中、減税効果が追い風となるビール主力の同社には関心が寄せられています。

同社は不動産事業の分離を進め、本業である酒類事業への経営資源集中を明確に打ち出しています。嗜好品としてのブランド力と構造改革の進展が、今後の業績や企業価値の評価における焦点となっています。

来週の見通し:ISM非製造業やファーストリテイリング決算を見据えた資産形成の構え方

来週は米国のISM非製造業景況指数や、日経平均への影響度が大きいファーストリテイリングの決算発表など、重要な指標や決算が控えています。

株価の短期的変動に動じることなく、企業の「実体的な稼ぐ力(ファンダメンタルズ)」を見極め、現物での分散投資を継続することが波乱相場に対処する考え方といえます。

より詳細な相場分析や、各銘柄に対する大川氏のリアルな視点については、ぜひマネーフォワード MEのYouTubeチャンネル「ME STUDIO」の番組「大川 & Nobbyの聴くだけ投資」でお楽しみください。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

この記事の感想を教えてください。