はじめに

先日パリを訪れた際、オペラ座前にあるユニクロのフラッグシップ店の混雑ぶりに驚きました。現地の人たちが次々と買い物かごいっぱいに商品を入れていく光景は、日本でユニクロが広がり始めた頃に見ていた光景とダブリます。

値札を見ると、カシミヤクルーネックセーターは99ユーロ(約17,540円)、日本では10,900円で販売されているので、約1.5倍。他商品もだいたいこれくらいの差額があり、日本でのユニクロ=リーズナブルな印象とはだいぶ違います。少し肌寒かったので、カーディガンでも買おうと思っていましたが、日本で買ったほうがだいぶお安いので買うのをやめてしまいました。なるほど、インバウンド客が、銀座のユニクロで爆買いするのも納得。

パリ在住の友人によると、パリではユニクロは、ZARAより安く品質がよいイメージとのこと。オシャレにうるさいパリっ子が夢中になるのも無理がありません。そういえばルーブル美術館では、ユニクロとコラボしている限定Tシャツが販売されていました。

ここのところユニクロの海外売上が堅調だというのは、かねてより柳井社長の強気な決算会見などでも聞いていましたが、実際に現地で目の当たりにすると、この勢いは投資家として見逃してはいけないのでは?と思いました。

そこで、10月8日に2026年8月期の本決算発表を控える今、あらためてファーストリテイリング(9983)を掘り下げます。


3Q累計は過去最高、海外ユニクロが牽引

7月9日発表の第3四半期決算は、売上収益3兆651億円(前年同期比17.1%増)、事業利益5,927億円(同33.6%増)と、過去最高の増収増益を記録しました。中でも牽引役となったのが海外ユニクロ事業です。売上収益は1兆8,340億円(同25.9%増)、事業利益は3,453億円(同45.4%増)と、国内事業を上回る伸びを見せています。事業利益率も18.8%まで改善し、海外事業の稼ぐ力が着実に増している様子がうかがえます。

特に注目したいのが、海外ユニクロ事業の伸び率が期を追うごとに切り上がっている点です。期首からの累計で見ると、第1四半期は売上収益6,038億円(前年同期比20.3%増)・事業利益1,173億円(同38.0%増)だったのに対し、中間期累計では売上収益1兆2,413億円(同22.4%増)・事業利益2,330億円(同37.4%増)、そして第3四半期累計では売上収益1兆8,340億円(同25.9%増)・事業利益3,453億円(同45.4%増)まで伸びが拡大しました。売上の伸び率は20.3%→22.4%→25.9%と四半期ごとに切り上がっており、決して「一時的な好調」ではなく、成長が加速している局面にあることが数字からも読み取れます。

地域別に見ても、1Qは北米・欧州・韓国がそろって2桁の増収増益、中間期には中国大陸・台湾、韓国・東南アジア・インド・豪州、北米・欧州のほぼ全地域で2桁の増収増益が続きました。出店の動きも地域ごとに対照的で、北米は半年で97店から106店へ9店増と出店ペースが目立って速い一方、グレーターチャイナは1,023店から1,008店へとむしろ店舗数を減らし、効率の良い立地への入れ替えを進めている様子がうかがえます。単純な店舗数拡大ではなく、地域ごとに戦略を変えながら稼ぐ力を高めている点が、海外事業の成熟度の高まりを感じさせます。

第3四半期(3~5月)単体でも北米・欧州・韓国・東南アジア/インド/豪州・グレーターチャイナの全地域で増収増益を継続。3カ月間だけで、米国はニューヨーク・シカゴ・ボストンに6店舗、欧州は英国・オランダへの初出店を含め4店舗をオープンし、韓国ではソウル・明洞に現地最大規模のグローバル旗艦店を開業しました。

こうした取り組みが評価され、ユニクロは米TIME誌の「世界で最も影響力のある企業100社」に初選出されました。また、カンター社の「世界で最も価値のあるグローバルブランドTOP100」には2年連続で選出され、アパレル企業の中では世界3位(全体では94位)にランクインしています。まさにわたしがパリで感じた熱気は、こうした数字と重なるものでした。

これを受けて、会社は2026年8月期の通期予想を上方修正しています。売上収益3兆9,700億円(前期比16.7%増)、営業利益7,300億円(同29.4%増)と、いずれも過去最高を更新する見込みです。海外ユニクロ事業は通期でも全地域で2桁の増収増益を見込んでおり、特に北米・欧州は6月以降も高い成長が続いていると説明されています。

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