はじめに

子育てを考えるなら、教育費だけでなく「地域選び」も

30代夫婦の中には、これから子どもを持つことを考え始める人も多いはずです。子育てというと教育費の準備に目が向きがちですが、実はどの自治体に住むかという「地域選び」も、家計に大きく影響します。

自治体によって、子ども医療費助成の対象年齢や所得制限の有無、保育料の軽減幅、出産・子育て応援給付金、学童保育の受け入れ枠など、子育て支援の内容や手厚さはかなり異なります。同じ都内でも区市町村ごとに制度が違うため、住まいを選ぶ際には家賃や間取りだけでなく、こうした支援制度も比較材料に入れておくと安心です。自治体の公式サイトや子育て支援窓口で、最新の制度内容を確認しておきましょう。

住まいという点では、住宅購入を検討し始める30代夫婦も増えてきます。住宅ローンを選ぶ際に多くの人が気になるのが「固定金利か、変動金利か」です。

変動金利は当初の返済負担を抑えやすい一方、金利が上昇する局面では返済額が増えるリスクがあります。多くの変動金利型ローンには、返済額が5年間変わらない「5年ルール」や、6年目以降の増加幅を直前の1.25倍までに抑える「125%ルール」がありますが、支払いきれなかった利息が後から上乗せされる場合がある点は理解しておく必要があります。

金利が上昇局面にある今、変動金利を選ぶなら、将来の金利上昇に備えたシミュレーションを事前にしておくことが欠かせません。

転職・独立を考えるなら、タイミングと「攻めの老後準備」を

30代は、キャリアの分岐点を迎える人も多い年代です。転職や独立を考えるなら、タイミングも大切なポイントになります。特に独立を選ぶ場合は、会社員時代に加入していた厚生年金や健康保険(会社の社会保険)から外れ、国民年金・国民健康保険への切り替えが必要になることを忘れてはいけません。

会社員のときに当たり前に受けられていた傷病手当金や、手厚い遺族年金・障害年金の保障が薄くなるケースもあるため、独立前に民間の医療保険や就業不能保険、あるいは小規模企業共済やiDeCoなどで将来に備えて早めから準備しておくことが大切です。
何かあったときに困るのは自分だけでなく、家族の生活にも直結します。

ただし、新NISAを使った資産形成は大切な一方、毎月の投資額を無理に増やしすぎて日々の生活が苦しくなる、いわゆる「NISA貧乏」になってしまっては本末転倒です。老後や将来のための備えは大事ですが、今の生活費や急な出費に備える手元資金まで削ってしまっては、かえって家計が不安定になります。夫婦で今の収入・支出を把握したうえで、無理のない範囲で「増やす」「貯める」「備える」のバランスを取ることが、30代からの資産形成では欠かせません。

老後の準備というと「貯蓄を増やす」「NISAで積み立てる」発想になりがちですが、実はもう一つ、「収入を上げる」という攻めの考え方もあります。収入が増えれば厚生年金の保険料負担も増えますが、その分将来受け取れる年金額も増えるためです。転職や独立でキャリアアップを図ることは、目先の貯蓄額を増やすだけでなく、長期的な年金額を底上げする効果も期待できます。

子育て期だけでなく、子どもが独立した後も見据えて計画的に

30代夫婦の暮らしは、世帯年収が1000万円前後まで伸びる一方、子育てや住宅、キャリアなど大きな選択が重なる時期でもあります。

大切なのは、次の4つです。


①子育てでは教育費だけでなく自治体の子育て支援まで含めて住まいを選ぶ
②住宅ローンを組むときは金利のリスクまで理解して選ぶ
③転職・独立を考えるなら社会保険の備えとタイミングを慎重に見極める
④老後準備は貯蓄一辺倒でなく無理な積み立てで家計を圧迫しない


今日からできることを、夫婦でひとつずつ確認してみてはいかがでしょうか。

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