はじめに

掃除の時間を作らない

掃除は、料理や洗濯に比べると緊急度が低いので、つい後回しにしてしまいがちです。そして、いつのまにか床にホコリがたまっていたり、洗面台が汚れてしまい、さらに掃除をするのがおっくうに……という悪循環にはまっている人も多いはずです。

そこで本間さんがおすすめするのが、日々の暮らしで無意識に動いている生活動線の中に、掃除をうまく組み込んでしまうことです。

掃除が苦手な人ほど、忙しい毎日のどこかで「きちんと」掃除の時間を作って掃除をしようとします。しかし、たとえば家の中を移動するときについでにフロアモップを持って床を拭いてしまえば、床掃除のための時間はいりません。また、玄関掃除になかなか手が回らないようであれば、ゴミ出しと組み合わせることも可能です。燃えるゴミの日に、ゴミ出しで玄関を通るときにサッとほうきで掃き、集めたゴミを一緒にして出せば「玄関掃除のための時間」は必要ありません。

生活動線に掃除を組み込むことで、無理して「掃除の時間」を作らなくても、家をキレイに維持できます。

畳まずにハンガー収納にする

洗濯物を畳むのを面倒と感じる人は多いのではないでしょうか?

そもそも洗濯物をなぜ畳むのでしょう? 
畳むとコンパクトになるので、収納量が増やせる。畳むことでシワを抑えられる。目的の服が見つけやすくなるというメリットが思いつきます。しかし、ならばこれらのメリットが影響しない場合は「畳まなくてもいい」ということになります。

たとえば、ブラウスやシャツ、カットソーなどのトップスはハンガーで干して、ハンガーのまま収納する方法があります。そうすれば畳む手間が省けるのはもちろん、シワもつかず、目的の服を見つけやすくなります。

クローゼットが狭くて衣類のハンガー収納がたくさんできないという人は、「よく着る服だけでも、ハンガー収納にする」ことで畳む回数を大幅に減らすことができます。

ズボラさんにおすすめの「放り込み収納」

また、洗濯物に関しては「放り込み収納にする」という方法も効果的です。洗濯物の種類別(ふきん、タオル、靴下など)にカゴなどの入れ物を用意し、そこに、該当する洗濯物を放り込んでいくだけです。これは放り込んでもシワにならないもの、あるいはシワになっても構わないものに便利な方法です。

普通は1枚につき3回ほど折り畳むフェイスタオルであれば、それを半分に畳むだけにしてカゴにポンポン入れて収納します。すると畳む手間が3分の1に減らせ、1枚畳む間に3枚畳めます。下着や靴下などの小物類も、引き出しの中に仕切りのついたケースを入れてしまえば、そこにサッと丸めて放り込むだけでOKです。

きれいに収納したり、小さい面積にたくさん入れることを目指すと、洗濯の負担が大きくなります。まずは、楽に洗濯物を収納することを目指しましょう。

「洗濯物を畳まないと……」と思うと面倒ですが、「ハンガーのままでいい」「カゴに放り込むだけでいい」「半分に折るだけでいい」と思えば気が楽になるのではないでしょうか。1つひとつは小さなことですが、積み重なれば大きな時短になります。

家事について負担を感じているのなら、やり方を変えたり、回数を減らすことで、きっと今よりラクに回るようになるはずです。本書の中で紹介されている、ムダな動きをなくす「仕組み」作りのコツや、さまざまな家事テクニックなどを、参考にしてはいかがでしょうか。

「やらないこと」から決める 世界一シンプルな家事 本間朝子 著


「やらないこと」を決めれば家事はどんどんはかどる! 「掃除の時間は作らない」「洗濯物は極力畳まない」「賞味期限はいちいちチェックしない」など、仕事との両立に苦労した著者が編み出した、頑張らなくても無理なくこなせる家事のコツを紹介します。

提供/日本実業出版社

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