キャリア

日本上陸「OPPO」を生んだ、苛烈な中華ケータイ大乱戦

中国スマホの超絶進化(前編)

ファーウェイとOPPOがたどった道

踊り場に入ったシャオミに代わって光が当たり始めたのが、ファーウェイとOPPOです。前述したように、この2つのブランドはスマホ黎明期からそれなりのシェアを有してはいたものの、イメージの面では決して良いものではありませんでした。

しかし、老舗の底力でしょうか。着実な技術力と、それを素直に、ただし圧倒的な量で訴求する広告戦略によって、あっという間に王者の地位を手に入れました。

OPPOの転換点となったのは2016年3月に発売した「R9」シリーズです。「充電5分間、通話2時間」という機能をそのまま言葉にした広告が、消費者の心をつかみました。

OPPOの躍進は、都会から田舎までとにかくどこにでも実店舗を出すこと、そして圧倒的な広告の投下量で、現実でもネット上でも「どこででも見る」存在に自らを押し上げたことにあります。どんな小さな村にも店があり、何かわからなければ聞くことができることが功を奏し、シャオミに手が伸びなかった比較的高い年齢層を取れたとされています。

広告では駅や屋外の目につく場所を占拠するほか、スペインのサッカーチーム「FC バルセロナ」のオフィシャルパートナーになったり、超有名テレビ番組「天天向上」「中国好声音」などのスポンサーになるなど、莫大な広告費を投じています。

また、ファーウェイは社内憲法にあたるファーウェイ基本法に「研究開発費を前年売り上げの10%以上にすること」と定めるなど、中国には珍しい、技術力の高さが売りの企業です。ただ、もともとは電話会社向けの通信機器メーカーだったため、一般消費者向けのマーケティングはなかなかうまく行かず、それが伸び悩みの一因でした。

しかし、通信規格が4Gの時代に入り、消費者にも優れた技術が評価されるようになってきたこと、そして徐々にデザインや宣伝も洗練されてきたことで評価が高まり、今では高級スマホブランドの一角としての地位を盤石にしています。

アジアに食い込む中華スマホ

冒頭でも触れたように、日本でのシャオミ、ファーウェイ、OPPOの知名度は決して高くありません。しかし、たとえば2016年のファーウェイの海外売上比率が55%に達していることが示すように、彼らの海外進出は比較的順調に進んでいるといえるでしょう。

特にアジアを中心に、国によっては国内携帯電話市場の上位に食い込んでいることも珍しくありません。

国別に見てみると、インドにおいてはサムスンとシャオミが同率1位、それに続くのはLENOVO、vivo、OPPOで、この5ブランド(うち4ブランドが中国系)で、足し合わせると市場シェアのほぼ4分の3を占めています(IDC調べ)。


ニューデリーの市場ではMI(シャオミ)やvivoのロゴが並ぶ

そのほか、インドネシアでもOPPO、シャオミ、vivoの中国系3社で合計4割近くのシェアを占めています(Statista調べ)。特にOPPOは1位のサムスンと競り合う形で市場の4分の1のシェアをとっています。また、サムスンが40%以上のシェアを占めるベトナムでも、2位、3位はOPPO、vivoです。

中国市場は成熟局面に入った

なぜこんなにも海外に力を入れるのでしょうか。それは、中国国内は市場がすでに成熟し競争も激しく、この巨大ブランドにとっても決して簡単な市場でなくなっていることが大きな原因です。

中国の携帯電話ユーザーは13億超、それに対して年間の総出荷台数は5億弱という統計があります。単純に比較できませんが、日本では携帯電話出荷台数がユーザー数の10%程度であることを考えると、中国の出荷数は市場規模に対していささか多すぎると感じられます。

市場の調整はすでに始まっており、2017年12月の出荷量は前年同月比で30%以上減少したと伝えられています。これだけ作ってしまうと、価格を下げたり広告を打ったり、余計なコストをかけないと売れなくなります。であれば、競争の少ない新天地を求めて海外に行くのは、当然の流れであるといえます。

それでは、この巨人たちと国内市場で激烈な競争を繰り広げているのは誰なのか。実は中国国内には、そのほかにもたくさんの個性的なライバルがいました。後編 では、そちらの状況を紹介したいと思います。

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