はじめに

参入障壁が下がったスマホビジネス

実は、スマホブランドは結構簡単に始められるといわれています。前編で書いたようにスマホは同質化が進んでいて、それぞれの部品を作る専門の業者、そしてそれを取りまとめてノーブランドの完成品を作ることができる業者も多数存在します。またシステムもAndroidを使えば、新たに開発する必要はありません。

したがって極端な話、そうしたノーブランドを仕入れて自社のロゴさえ入れれば、独自ブランドとして売ることができるのです。私も実際、ある友人に「1万台を引き受けられるなら、お前専用スマホを作ってやるぞ」と言われたことがあります。

中国国内のスマホ市場において、日本ブランドはまったく存在感がありません。以前はソニーが家電でのブランド力にも助けられ、多少のシェアがありました。しかし直近の売り上げを見ると、今回紹介した猫耳携帯(17位)やラグジュアリー携帯8848(30位)にも負けています(第一手机界研究院まとめ)。

iモードや絵文字など、一時期までは日本のほうが技術的に進んでいたケータイ開発ですが、
スマホ時代になりグローバル規格のiPhoneなどが入ってきたことで、国内メーカーは次第に苦戦を強いられるようになってきました。1月末には、富士通がスマホ事業を投資ファンドに売却することを発表しています。

日本ブランドは盛り返せるか

時代は移り変わり、日本のすぐ隣には10倍の規模のスマホ市場を持つ国が生まれました。しかし今回見たいくつかの中国の中小ブランドからわかる通り、物量による正攻法以外にも戦い方はありそうです。

最近話した中国人の富裕層は日本のスマホゲームにハマっていて、その理由を「細部の作り込みの丁寧さが中国のゲームとはまったく違うからだ」と言っていました。また、「旅かえる」という日本語版しかない放置系のスマホゲームが、1月に入って中国人の間で急にブレークしています。

今回参入を決めたOPPOが日本国内でどう戦うのかまだわかりませんが、もし本気であれば中国同様、有名タレントを起用した広告を展開するでしょう。日本では前回紹介した「充電5分間、通話2時間」が旗印のR9の後継機にあたるR11sを投入することを発表しています。

記者発表会でも、カメラや撮影後の写真の補正性能を強く訴えており、強敵の予感がします。それでもメイド・イン・ジャパンもその特徴を活かして生き残る方法はあるはず。日本メーカーの頑張りに期待したいところです。

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