はじめに
来週2月14日はバレンタインデー。どの百貨店も高級チョコレートの特設売り場を設けるなど、バレンタイン商戦たけなわです。
最近は、本命の人に渡すものだけでなく、自分へのご褒美チョコも百貨店や専門店で買う人が増えたように思いますが、実はこの時期、スーパーやドラッグストアでも通常の時期とは異なる動きが見られます。
なぜこうした現象が起きているのでしょうか。流通データを基にひも解いてみます。
月次動向の違いは「売れているもの」の差?
下のグラフは、全国のスーパーとドラッグストアで1店舗平均どのくらいチョコレート商品が売れたかを集計したものです。期間は2016年1月から2017年12月までの2年間です(True Data調べ)。
スーパーでは、明らかに夏場に落ち込み、涼しくなると徐々に上がり始め、2月が突出して高くなっています。これに対し、ドラッグストアは夏場に落ち込む点はスーパーと同じですが、2月だけが高いわけではなく、10月から3月まではおおむね似たような水準です。
原因はどうやら、スーパーとドラッグストアでは「売れているもの」が違うという点にあるようです。
スーパーの2月は板チョコが売れ筋
10~12月に売れたものと、2月に売れたものを比較してみると、スーパーでは上位10商品の顔ぶれがまったく異なります。10~12月はお酒のつまみやおやつ用に、ちょいちょいつまめるものが目立ちます。
明治の人気チョコであるミルク、ハイミルク、ブラックの詰め合わせである「明治ベストスリー」が2位、一口サイズのハート型チョコの「ロッテガーナリップル」が5位、亀田製菓の「柿の種チョコ&ホワイトチョコ」が6位、「キットカットミニ」が7位、「アルフォート」のミルクチョコ、リッチミルクチョコを詰め合わせたファミリーサイズが8位に入っています。
いずれも保存が楽で、明治ベストスリー、キットカットミニ、アルフォートファミリーサイズはいずれも一口サイズごとに個包装されたものを袋詰めにしています。
ところが、2月は1~7位はすべて板チョコです。2月だけ需要を底上げしているのは、おそらくバレンタインデーのためにチョコを手作りする人たちでしょう。
これに対し、ドラッグストアはスーパーに比べると、10~12月と2月で売れ筋が変わるという現象は起きていません。10~12月は8位だった「ガーナミルク」が、2月は1位に立っていますが、ベスト10の顔ぶれは粒タイプがメインです。
ドラッグストアでも普通に板チョコを置いていますが、スーパーはチョコペンシルやアラザン、ドライフルーツなどの製菓材料や、道具類、包装容器なども売っているので、手作りチョコに必要なものが一度に手に入ることが一因ではないでしょうか。