はじめに

手持ち無沙汰になると、ついつい手が伸びてしまうスマートフォン。「ちょっと調べるだけ」と手に取り、気がつくと何十分も経過していたということも少なくないのではないでしょうか。

欲しい情報がすぐに得られ、遠く離れた友人とも簡単にコミュニケーションがとれるうえ、足を運ばなくても買い物ができる。便利な分、手放しがたいため、手元にないと不安に駆られるようになり、日常生活がままならない「スマホ依存症」を引き起こすこともあります。

そんな中、使い過ぎを防ごうと、スマホを封印する便利なツールが生まれています。


強制的にスマホをロックするアプリ

勉強や仕事に集中しているとき、着信によって点灯するスマホが視界に入ると、つい気になって触ってしまい、それまでの集中力が途切れてしまう……。こうした事態を避けるため、スマホにロックをかけて強制的に利用できないようにするアプリがあります。

それが「タイマーロック」シリーズです。手がけたのは石川県金沢市にあるデザイン会社、ヨシタデザインプランニング。大学受験を控えた自分の子供が慢性的にスマホを利用している姿を見て、代表の葭田(よした)護さんが「スマホの使用を制限できるアプリがあれば」と思ったのが開発のきっかけです。

シリーズは全部で3種類。このうち、親が子供のスマホにロックをかけられるようにと開発されたのが、「タイマーロック」(無料)と「タイマーロック2」(ダウンロード課金200円)です。

後者は、ロックする曜日と時間を指定できる機能が追加されています。ロックを解除するには設定時に登録した暗証番号が必要になるため、親が設定した場合、子供は簡単にロックを外せないようになっています。

自分でロック、解除したら100円課金

シリーズはさらに進化しています。「タイマーロック3」(無料)は、社会人や学生が自分の意思でスマホにロックをかけられる設計で、万が一ロックを途中で解除すると100円が課金される仕組みです。

「タイマーロック3」のアプリ画面。右下の貯金箱に総ロック時間と回数が表示されます。

アンドロイド版のみの展開ですが、これまでにシリーズ累計で約10万ダウンロードを超えました。個人がリリースしたアプリではヒットとされるダウンロード数の水準です。

ダウンロード数が増えても、タイマーロック3の途中解除による課金の売り上げが大幅に伸びることはないそうです。それでも営利目的で開発したアプリではないため、葭田さんは「少しでもスマホから離れて、その時間を有効に使ってもらえたら」と話します。

現在、ユーザーの7割近くが10代です。中には、5歳の子供が使うタブレットに、親がロックをかけるケースもあるといいます。また、最近は「日本よりもインドからのダウンロードが多いです」と葭田さん。累計ダウンロード数の3割をインド、アメリカといった海外が占めるそうです。

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