読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナー(FP)が答えるFPの家計相談シリーズ。今回はプロのFPとして活躍する高山一恵氏がお答えします。


33歳のシングルマザーで、7歳の娘と5歳の息子がいます。現在、私の両親の家に暮らしており、5人家族です。私はフル勤務のパートで美容師をしており、月額19万円〜20万円のお給料をもらっています。シングルマザーで実家暮らしなので、光熱費などは親に支払ってもらっています。
私のお給料からは、5人分の食費3万5,000円、ガソリン代8,000円、私と子供たちの保険料4万8,000円、携帯代7,000円、子どもの学校費1万3,000円などが支出です。私のお給料の額からだと自分のお小遣い、貯金額はいくらが適正なのでしょうか?
今は6万円貯蓄していますが、お小遣いをいくらにしていったら気持ちよくやりくりできるのか知りたいです。


> **〈相談者プロフィール〉** ・職業:美容師 パート勤務 ・同居家族:父母(父は58歳公務員)、子ども2人 ・居住形態:親の家で同居 ・居住地域:新潟 ・手取り世帯年収:200万円(相談者さんのみ) ・毎月の支出目安:子どもたちと自分だけだと10万円程度
> **〈支出〉** ・食費:3万5,000円(5人分の食費) ・ガソリン代:8,000円 ・保険料:4万8,000円(本人と子ども2人分) ・貯蓄:6万円

**高山:**ご相談ありがとうございます。シングルマザーのご家庭で堅実に暮らしている様子が伺えます。今回は、相談者さんが気になっているお小遣いの適正金額と貯蓄の目安についてお話しします。

お小遣いの支出を「見える化」し、適正金額を決める

お小遣いの目安ですが、これは、独身なのか、既婚なのか、子どもの有無、収入などにより違いがあると思います。独身や共働きの場合は、手取り収入の2割程度が目安だと思いますが、扶養家族がいる場合は、手取り金額の1割程度が目安になると思います。

相談者さんの場合、2人のお子さんがいるので、2万円程度が妥当ということになります。ポイントは、2万円という金額で相談者さんが満足できるかどうかということです。

お小遣いとして考える支出は、趣味代や洋服などの買い物代、友達とのランチ代や飲み代など、いわゆる生活費を除いた個人的な支出になります。

例えば、日々のランチ代などは生きるための費用なので、本来、お小遣いの支出とは別にするべきですし、飲み会についても同僚との息抜きのためであれば、お小遣いからの支払いでもよいですが、歓送迎会など強制的な飲み会については別途家計から出すとストレスが溜まりにくいでしょう。

まずは、お小遣いとして使っている支出をすべて書きだし、「見える化」してみましょう。その金額が2万円以内に収まっていて特に不自由を感じないのであれば問題ありませんが、2万円以内に収まっているけれど、ストレスを感じる場合、上記のように、本来お小遣いから払わなくてもよい支出も払ってしまっていないか、確認してみましょう。

反対に2万円以上をお小遣いとして使っている場合は、何が削減できて何が削減できないのか考える必要があります。誰でもお小遣いは多いにこしたことはないと思いますが、適正な金額を守らないと家計を圧迫してしまいます。お小遣いとして考えたとき、何にお金を使いたいか「優先順位」を考え、取捨選択していくことが大切です。

貯蓄は手取り収入の1〜2割が目安

貯蓄の目安についてですが、一般的には手取り収入の1〜2割です。お子さんがいる家庭では、子どもの教育費が嵩む傾向にあるので、手取り収入の1割が目安ですが、相談者さんの場合、実家暮らしで家賃の負担もないようなので、手取りの2割は貯蓄したいところです。毎月の貯蓄を見ると、6万円ということなので、手取りの3割程度貯蓄していてがんばっている様子が伺えます。

ただし、相談者さんはシングルマザーということもあり、もしも病気やケガになって働けなくなった場合、子どもたちの生活が心配ですね。ですから、もしもの場合に備えて、まずは生活費の6ヶ月〜1年分の貯蓄を目指しましょう。できれば1年分を目指せると、急な病気やケガで働けなくなったり、リストラや転職など人生の転機が起こったりしてもあわてなくてすみます。

あわせて子どもたちの教育費、相談者さん自身の老後資金の準備も必要です。もしもの場合に備えるお金とは別口座を作り、教育費、老後資金についてもコツコツ準備していきましょう。現在、ご両親が元気な状況で同居できており、生活費の負担も軽減できているようなので、今こそ貯め時です。

教育費は、子どもたちを大学に進学させることを考えている場合には、子ども1人につき18歳までに300万円〜400万円程度を準備したいところです。保険料を拝見すると、学資保険などできちんと準備されているのかなと予想しますが、子どもが小さいうちから進学プランについてもイメージしておきましょう。

老後資金は、どんな老後を送りたいか、持ち家なのか、賃貸なのかなどによっても変わりますが、少子高齢化が加速する中、現在の年金額は減額され、年金の支給年齢も引き上げられるでしょう。現在は、おひとりさまの老後に備える金額として、65歳までに2000万円程度必要といわれていますが、この金額を参考に老後資金についても今から少しずつ準備しておきましょう。老後資金の準備については、税制優遇があるiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用するのがおすすめです。

先取り貯蓄で貯まる仕組みをつくる

現在、6万円貯蓄できているということですが、これを確実にするために「先取り貯蓄」を実践しましょう。

先取り貯蓄とは、支出した後に余ったお金を貯蓄に回すのではなく、「お給料が入ったら先に貯蓄分を取り分けてしまう」という方法です。先に貯蓄を取り分けて、あとは残ったお金の範囲で生活すれば確実にお金は貯まります。

とはいえ、毎月お給料日にお金を引き出し、別口座に入れて…と手作業でしていたら続けるのが面倒になりますよね。そこで活用したいのが、積立定期預金などの自動的に積立できる制度。毎月給料日に指定した額を給与や口座から自動的に引いて積立をしてくれるので面倒な作業が不要です。

また預金だけではなく、iDeCoや投資信託なども毎月口座から自動的に積み立てを行うことができます。自動的に貯まる仕組みを作り、上手にお金を増やしていきましょう。