はじめに
子どもが大学に進学する場合、入学金と授業料を準備すれば大丈夫と思ってはいませんか? 教育費の中でも最も多くかかるのが「大学」にかかるお金です。
日本政策金融公庫による「教育費負担の実態調査結果」が2018年2月14日に発表されました。最新情報とともに「実際何にどのくらいかかるの?」「教育費をどう捻出するの?」を具体的に考えてみましょう。
大学進学のために準備するお金
大学進学をする場合、入学金と授業料以外にも他にも様々な費用がかかります。まず最初は大学進学にかかるお金の全体像を把握することから始めましょう。
(1)自宅通いの場合
・受験費用(受験した学校の受験費用、センター試験費用)
・入学金
・入学しなかった学校への納付金
・パソコン、教材、スーツ代
・授業料
・通学費(通学定期など)
(2) 下宿の場合
・アパートの敷金・家財道具の購入費
・家賃、光熱費
・帰省費用
進路別大学進学にかかる費用
次に、大学にかかる費用を進路別に確認しましょう。日本政策金融公庫平成29年度「教育費負担の実態調査結果」によると、大学進学にかかる費用の平均は、国公立大学は約500万円、私立文系は約740万円、私立理系は約810万円となります。
(1)進路別大学進学にかかる費用
<大学進学にかかる費用> 単位:万円
入学費用 | 国公立大学 | 私立大学文系 | 私立大学理系 |
---|---|---|---|
学校納付金 | 29.9 | 49.4 | 43.5 |
受験費用 | 27.7 | 33.9 | 33.7 |
入学しなかった学校への納付金 | 11.6 | 9.6 | 9.8 |
小計1 | 69.2 | 92.9 | 87.0 |
在学費用 | |||
学校教育費 | 100.9 | 149.9 | 169.0 |
家庭教育費 | 7.6 | 11.3 | 11.3 |
小計2 | 108.5 | 161.3 | 180.2 | 合計(小計1+小計2×4年) | 503.2 | 738.1 | 807.8 |
出典:日本政策金融公庫平成29年度「教育費負担の実態調査結果」をもとに執筆者作成
例えば、私立理系大学で自宅通いの場合は、807.8万円が平均となります。大学進学の費用は、入学前の時点で約87万円かかりますので、子どもが高校3年生の時にその分の費用が必要になります。
(2)自宅外通学をした場合
自宅外通学を始める費用は、アパートの敷金や家財道具の購入費で平均約37.5万円、子どもへの仕送り額は年間約93万円が平均となります。