諦めきれず、ついかけられるだけお金をかけてしまう……。不妊治療では、多くの人がそんな傾向に陥りがちです。可能性が少しでも残っていて、しかもお金で解決できるなら、そこにかけたい気持ちは当然といえば当然でしょう。

とはいえ、気の済むまでお金をかけてしまうと、たとえ、成功してもその後の生活費や教育・老後資金を圧迫することに。不妊治療にかける予算や費用は、どう考えれば後悔せずにすむのでしょうか。「相談者にも不妊治療をしている人が増えている」という、ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんにポイントをうかがいました。


漢方やヨガの費用を足すと200万円以上

「多くの人が最初こそ『体外受精1回まで』など具体的に回数の上限を決めています。でも、実際に治療するうちに『次こそは』と止められなくなる。教育費に似て、際限なくお金をつぎ込むブラックホールになりやすいのが不妊治療です」と高山さんは指摘します。

不妊治療には、基本検査からタイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精まで5段階あり、高額かつ保険適用外になる体外受精以降の手段をとると、最低でも治療費は1回の体外受精を受けるまでに総額100万円以上かかります。

しかし、1回の治療で成功したり、気が済むという人はそうはいません。また、病院・クリニックでの治療費や通院費用以外にも「できるだけ、効果を高めたい」と、体質改善のためのサプリメントや漢方を常用したり、ヨガ教室に通ったりする人が非常に多いです。これらの費用を足すと、高山さんの経験では「平均200万円以上をかけている人が大半」だといいます。

特に、ある程度の貯金ができ始める40歳以上の働く女性だったり、夫も年上の50代などの晩婚型の夫婦は、お金に余裕があるがゆえに、逆に無計画に費用をつぎ込んでしまいがち。大概、妻(女性)の方が「子供を持たねば、自分は完璧ではない」と前のめりになり、かけられるだけ費用をかけてしまう、とも。

一方で、夫(男性)はそれほど子供にこだわっていない。そのため、治療が失敗に終わった時に「こんなにお金をかける必要はなかった」と大喧嘩になり、お金だけでなく、夫婦関係まで破綻してしまうケースも少なからずあるそうです。