はじめに

JR中央線の国分寺駅の改札を出て、左手に歩くこと数秒。駅北口の再開発ビルの1~4階部分で4月7日に開業するのが「ミーツ国分寺」です。内覧会が開催された同月5日は、開業に向けた最終準備が進められていました。

この商業施設を運営するのは、百貨店大手の三越伊勢丹ホールディングス(HD)。同社はこれまでもアルタやラシックといったショッピングセンター(SC)を展開してきましたが、いずれも都心立地。郊外立地の地元密着型SCを運営するのは、今回が初となります。

三越伊勢丹HDとして初の郊外型SCとは、どんな店舗なのでしょうか。そして、同社が初の試みに踏み出した背景には、何があるのでしょうか。経営幹部に取材しました。


ちょっと上質な日常使い

ミーツ国分寺は、国分寺駅北口の再開発ビル「cocobunji WEST(ココブンジ ウエスト)」の1~4階を、三越伊勢丹HD傘下の三越伊勢丹プロパティ・デザインがマスターリースする形で運営します。

ネーミングの由来は「新たな人、モノ、コトと出合える場所」。30~40代の女性をメインに、ファミリーやシニアにも支持される店づくりを目指しています。そのコンセプトについて、三越伊勢丹HDの杉江俊彦社長はこう説明します。

「ちょっと上質なライフスタイル、集いの場を提案するデイリースペースとして作らせていただきました。この『ちょっと上質』がポイント。地域のお客様のちょっと上質なデイリーニーズを満たすことが目標です」

館内のデザインは、自然をテーマに、ベンチを多めに配置するなど、くつろぎの時間を提案するものにしています。全フロアにカフェを配置したのも、集う場を創出する狙いがあるそうです。

駅を挟んで反対側の南口の商業ビルにはマルイが入居していますが、こちらは20~30代向けを中心に、カジュアルなラインナップとなっています。その意味では、客層のすみ分けが意識されているように見受けられます。

6店舗が新業態

ミーツ国分寺には49店舗が出店。このうち、新業態は6店舗になります。その中の4店舗が出店しているのが、生活を快適にするファッションとコミュニティ空間をテーマとしている3階です。

たとえば、「hmv BOOK store」はHMVとしては初となる小型書店になります。従来の「HMV&BOOKS」では書籍の商品比率が6割前後のところ、こちらの店舗は9割と高め。残りの1割がCDやDVDとなっています。


HMVの新業態「hmv BOOK store」

朝にネットで注文すれば、その日の夜には店舗で商品を受け取ることもできます。ローソンHMVエンタテイメントの渡辺昌平さんは「旗艦店とネットの中間的な存在です」と説明します。

ほかにも、40~50代の女性向けに「同窓会」や「食事会」などのシーンごとのファッションを提案する「スマイル&ファイン」や、OXO(オクソー)ブランドでキッチン用品などを手掛ける「+f(プラスエフ)」が初めて展開する子連れ客向け業態などが入っています。

フロアごとにテーマが設定されており、1階は幸せな食卓とメイクビューティーがテーマ。スーパーマーケットの「クイーンズ伊勢丹」を核テナントに、こだわりの飲食店や質感の高いコスメショップなどを組み合わせ、施設全体のイメージを発信するフロアです。


イセタンミラーとの組み合わせで、2階の買い回りを促進

2階は「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」などのファッションブランドとコスメショップの「イセタンミラー」とを組み合わせ、買い回りを促進。4階は、中央線沿線には初出店となる「東急ハンズ」を核として、旅行や保険のショップを配置し、コト提案型のフロアにしました。