はじめに

アラフィフが「グレーゾーン世代」

1992年の調査当時に18歳から34歳だった女性は、2018年現在で44歳から60歳の女性になります。この女性たちと同じ年齢か、もしくは年上のアラフィフ以上の男性は、1992年当時の若い女性の意識・価値観を意識して結婚している方たちとみられます。ですので、今では彼らが想像するよりも専業主婦理想の若い女性がかなり少なくなってしまうという状況が起こるのです。

専業主婦理想の女性は、同調査において上昇することなく年々減少してきていますので、年齢の高い男性ほど「若い時の僕の知っている若い女性と理想の生き方が全然違う!」と、驚きが大きくなります。

ちなみに、専業主婦理想女性の割合が急落した1997年当時に18歳から34歳だった女性は、2018年現在で39歳から55歳の女性になります。ですので、彼女たちと同世代のアラフォー男性から下の年齢の男性は「専業主婦理想の女性って実は減ってきているのかも?」と多少は気がついている世代の男性といえそうです。

意識が変化していくことに気がつくまでには当然タイムラグが生じますので、1992年の調査と1997年の調査の双方に多数含まれている50代の女性のパートナー年齢と想定される50代男性は「専業主婦理想の女性が想像よりも少ないという気づき」の有無で見ると、「グレーゾーン世代」といえるでしょう。

子供が欲しくない人はわずか1割

次に「再就職コース」ですが、これは結婚または出産の機会にいったん退職し、子育て後に再び仕事を持つことを理想とする女性です。いつを子育て後とするのかは不明な回答ですが、しかし、子供を持っていても仕事は続けたいと思っている女性が35%(3人に1人以上)いることがわかります。

「両立コース」は文字通り、結婚して子供を持つが、仕事も一生続けることを理想としている若い未婚女性です。32%ですので、ほぼ3人に1人いることがわかります。

ここで、再就職コースと両立コースの女性はともに「子供を持ちつつも仕事もする」というライフコースを理想としています。この2つの理想を合計すると68%となりますので、今の若い未婚女性の約7割、10人に7人の女性が「子供がいて、仕事もしたい」と願っているといえます。

「DINKS コース」は、結婚するが子供は持たず、仕事を一生続けることを理想とする女性です。「非婚就業コース」は結婚せず、仕事を一生続けることを理想とする女性です。

DINKSと非婚就業コースの合計が、「子供は欲しくない」若い未婚女性の割合を示しています。ですので、9.9%、すなわち10人に1人の女性が、子どもは欲しくないと思っている女性ということになります。

データを知ればアプローチも変わる

上で示した「子供は欲しくない」未婚の若い女性の割合についても、マスコミなどの報道の影響からか「もっと子供が欲しくない若い女性が多いと思っていました。驚きです」という声を30代、40代の女性からよくうかがいます。

「イマドキの子は、子供が欲しくない子が3割くらいはいるのかな、と思っていました」という声まであります。こういった「印象論」との驚きの乖離をデータで確認することによって、今の若い未婚女性を見る目が「正しく」修正される方たちは意外と多いように思います。

専業主婦理想については「昔の価値観を引きずって事実誤認する」パターン、子供が欲しくない割合については、多様性(ダイバーシティ)が叫ばれる今だからこそ、次世代の意識を過大に多様評価してしまうパターンです。

20代半ばのエリート公務員とケンカ別れした、20代半ばの女性がこう言いました。

「彼とはマッチングアプリで出会い、半年ほどお付き合いしましたが……。『結婚しよう。僕は転勤あるから、結婚後はこうしたい、ああしたい』って彼の仕事都合の話ばかりが続いて……。私のせっかく積み上げてきた仕事は一体どうなっちゃうんだろうって悲しかったです」

もちろん、何事も例外はあるものの、正確なデータを確認することによって、若い女性に対する「独りよがりではない思いやり」の大体のストライクゾーンをつかむことはできます。結婚を希望する男性にとって正確なデータの確認は、今を生きる頑張り屋さんな若い結婚相手(候補)女性のハートをつかむ、大きな一歩につながるかもしれません。

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