はじめに

要領よく仕事をする

「要領がいい」という評価は「手抜き仕事をしているのにうまく立ち回るから上司のウケがいい」といった悪いイメージがあります。江口さんは、仕事ができる人へのひがみや嫉妬が原因で悪口になったのではないか、と推測しています。本来、「要領がいい」というのはほめ言葉だからです。

「要領よく仕事をする」というのは、仕事の結果が迅速、正確かつ鮮やかで、上司の期待通り、いやそれ以上の結果を出すということなのです。(218ページ)

「要領がいい」とは、具体的にはどういうことなのでしょうか。江口さんは次の6つをあげています。

1.仕事の優先順位を決めながら、柔軟に順番を入れ替えること。
2.仕事が速いこと。
3.創意工夫をして、今までにない仕事の仕方を考え出すこと。
4.次の仕事の段取りを想定しながら、今の仕事の処理をしていくこと。
5.ときに他人の力を借りること。なにより、これらのことを、
6.楽々と余裕を感じさせて仕上げること。
(221ページ)

これらは、漫然と仕事をこなすだけでは実践できないことばかりです。働き始めの新社会人の皆さんには難易度が高いかもしれませんが、少しでも意識することによって仕事への取組み方が変わってくるはずです。

新人でも遠慮することなく、前例にとらわれない新しい仕事のやり方を考えてみる。目の前の仕事に取り組みながら、次の仕事の段取りを意識する。自分の手にあまる仕事は同僚の力もどんどん借りる。

要領よく仕事をすることは「仕事の基本」です。「速く、鮮やかに」仕事を仕上げる。「涼しい顔をしていく」ことによって、あなたは着>実に仕事ができる人と評価されるでしょう。
ぜひ、要領のいい「仕事の達人」になってください。(227ページ)


本書に書かれている22の「仕事の基本」は、それを実践することで自分をひとまわりもふたまわりも成長させてくれるような、仕事と人生のとても大きな指針です。

働き始める新社会人はもちろん、彼らを指導する立場のビジネスパーソンにも前向きな影響を与えてくれる1冊と言えるでしょう。

働き始めた君に伝えたい「仕事の基本」 江口克彦著


松下電器創業者・松下幸之助の側近として23年間働き、仕事の仕方、考え方を叩き込まれた江口氏が、社会人1年目に向けて、押さえておきたい行動ノウハウを22項目に厳選して伝授。実践すれば、社内の、人生の階段を着実に上がっていかれます。

記事提供/日本実業出版社

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