はじめに
チームラボといえば、美術館や日本庭園、国宝とコラボなどさまざまなコラボやイベントで、見る側をあっと驚かす体験をさせてくれるデジタルアート集団。
2018年6月21日に、森ビル株式会社とチームラボが共同で運営する世界初デジタルアートミュージアム「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」がお台場パレットタウンにオープンします。
館内は5つのテーマで構成されており、今回のために作った新作から海外で話題になった作品・今までの作品を軸として新しくしたものが展示されます。どんな体験ができるのか、ひと足先に、工事中のプレスツアーに参加してきました。
実は都内初の常設展示施設
チームラボとは、プログラマ・エンジニア・CGアニメーター・数学者・建築家など様々な分野のスペシャリストから構成されているデジタルコンテンツの制作会社。サイエンス・テクノロジー・デザインアートなどの境界を越えて、実験と革新をテーマにコンテンツを作成しています。
日本だけではなく海外でも人気があり、世界中で展覧会を開催。また、海外ではシンガポール・中国・韓国・アメリカなど、国内では宮崎・博多・湘南などに常設展示施設があります。
今までの活動や人気を考えると意外な気もしますが、実はお台場にできる施設は都内で初の常設展示施設。しかも施設面積1万平方メートルとかなり広大なミュージアムで、中は5つの空間で構成され、世界初公開作品を含む約40作品を展示します。
海外で話題になった作品が日本初展示
2016年にフランスで展示され、大きく話題になった「Forest of Resonating Lamps-One Stroke」という作品で、今回日本で初めて展示されます。
ランプが人を認識して光り、それに呼応して他のランプも規則にそって輝くのですが、説明しても難しく……。無数にあるランプが順番に光り出す光景はとにかく幻想的で美しいので、ぜひ体験してほしい作品です。
※製作中 untitled
日本の昔からある水田の棚田をイメージして作られた作品。実際の四季と連動し、夏は青く茂り、秋になると稲穂が黄金色に、冬になると雪が積もりと、1年365日変化があるそう。
※製作中【Black Waves】
少し奥ばった部屋にあるのが、Black Wavesという作品。見学のときはまだできていませんでしたがクッションのような柔らかいものを一面に敷き詰めて、寝ながらゆっくり作品に浸れるようになるそうです。
「かなり施設が広いのでここにたどり着けない人もいるかもしれません。もしかしたら隠れスポットになるんじゃないかと、個人的に思っています」とチームラボ広報の森友香理さん。
デジタルアートの裏側
ここはミュージアムの心臓部。一般的な美術館の場合「収蔵庫」という場所にアート作品を保管していますが、デジタルアートの場合機械によって展示が作られています。
この施設ではコンピューターが約500台・プロジェクターが470台使用されており、同じような部屋がいくつかあるとのこと。それぞれのプログラムがこの中に保存されているそうです。
施設を楽しむキーは?
今回、順路の指定がなく、館内マップも作る予定はないといいます。展示されているアート作品が部屋を移動し、ひとつのところにとどまっている訳ではないので、表示も難しいとのこと。
部屋数も多く、もしかしたら見つけられない部屋があるかもしれません。そしてこのデジタルアートは来場者と反応を起こすため、何回来ても同じ瞬間に巡り合えないそう。そんな一期一会なところもリピーターを誘うのではないでしょうか。
「自由気ままに館内を回るのもいいですが、部屋から出て通路を移動している作品を追いかけてみるのも楽しみ方のひとつ」と広報の森さんは言います。
施設には、時間制限がなく、一度入館したら、何時間でも滞在することができるのも、家族連れにはうれしいところ。
オープン時には「チームラボアスレチックス:運動の森」というボルダリングやトランポリンなど身体を使ってデジタルアートを体験するエリアもできあがります。
チームラボの代表・猪子寿之さんでさえ、何を説明すればいいのか難しいといっていたように、とにかく実際に目で見て、身体で触れてみることが楽しい施設。子供も大人も楽しめる2018年注目のスポットになるのは間違いないでしょう。
「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless」
住所:東京都江東区青海1-3-8(お台場パレットタウン)
開業日:2018年6月21日(木)
営業時間:月~木 11:00~19:00 金・祝前日 11:00~21:00 土 10:00~21:00 日・祝日 10:00~19:00
※最終入館は閉館の1時間前。
料金:一般/高・大学生 3,200円 子供(4歳~中学生) 1,000円
(文:編集部 北村佳那)