はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。

クレジットカードについてご相談させてください。私は銀行のキャッシュカードと併用したカードで十分だと思っているのですが、主人が某ブランドのゴールドカードにしたいと言って聞きません。ただ、私には数万円の年会費を払う意味が正直わかりません。ゴールドカードは年会費に見合ったメリットがあるのでしょうか。それともただの見栄でしょうか。クレジットカードの選び方を教えてください。
(女性、30代、既婚)


花輪: ご相談ありがとうございます。

ステータスではなく実利で選ぶ

夫婦のうち片方がステータスを優先し、もう片方が実利を優先させる場合、揉めることも多くなりますね。お金を貯めるにはできるだけステータスではなく、実利を優先させることが大切です。夫婦関係の兼ね合いとバランスを取りながら考えていきましょう。

5つの視点でカード選びを

クレジットカードの賢い選び方として、以下の5つの視点を持つことが大切です。

1.「年会費の元を取れるか」

節約のためには、できれば年会費無料のクレジットカードを選ぶのがポイントです。年会費が必要な場合も、年間の使用額によって会費が無料になることもありますので、使用頻度と相談しましょう。

ステータスのためにプラチナカードやブラックカードを持っている男性も少なくはありませんが、年間十数万円かかる年会費分のサービスを受けているのか、今一度確認をしてみましょう。クレジットカードの年会費は大きな固定費だからです。

2.「幅広いお店で1%以上の還元率があるカードを選ぶ」

利用するデパートやスーパーで、それぞれクレジットカードを作ってしまうと、枚数が増えて管理をするのが難しくなります。そこで、特定のお店で高いポイントが付くクレジットカードよりも、幅広いお店で1%以上の還元率があるものを選ぶのがポイントです。

たとえば、スーパーのクレジットカードが0.5%還元だとすると、1%以上の還元率があるクレジットカードで支払ったほうがおトクになります。

3.「ポイント交換のしやすさを確認する」

ポイントは還元率だけではなく、交換のしやすさも確認しましょう。

せっかくマイレージを貯めたのに繁忙期には予約ができないなんてこともよくあります。また、商品との交換ではほしいものがなくて結局商品券に引き替えるということも。そんな人は、キャッシュバックを受けることができるクレジットカードを選ぶのも手です。100円購入したら99円で請求がくるなど、実質値引きをしてくれるクレジットカードもあります。

4.「ポイントは1枚に集約させる」

なるべく1枚のクレジットカードにポイントを集約すると、ポイントが貯まり、財布もスッキリします。普段利用するカードはメインとサブの2枚程度に絞りましょう。

複数持っていると、それぞれの明細を見るのも大変です。カードの引き落としができているか確認するのも手間になります。

5.「デメリットはないかを確認する」

年会費無料だからと思っていたものの、ETCカードを作ったら有料だったり、明細書の郵送料が有料だったりすることもあります。

また、一番恐いのは初期設定がリボ払いになっているクレジットカードです。「ミニマムペイメント方式」などと書かれていることもあります。後から自分で全額支払いに変更することはできますが、明細書を見ていなくて知らない間にたくさん利息を支払っていたという声も聞きます。

以上、5つの視点を持ってクレジットカードを選んでみてはどうでしょうか。

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