はじめに

年収がアップしたら、生活費アップより貯蓄額アップ

年収がアップしたからと言って、生活費までアップさせるのは得策ではありません。確かに、食費や日用品など、今までより少し良いものが買えると嬉しいものですが、その喜びは最初だけ。その後は、「いつものお値段」として慣れてしまいます。生活水準を安易に上げてはいけない、と言われる理由がここにあります。

生活水準を上げても、喜びはつかの間にもかかわらず、お金はなくなります。しかも、一度上げた生活水準を下げるのは、本当に大変です。ですから、年収が400万円から500万円にアップした時の正解は、生活費は変えずに貯蓄を増やす、というものです。

さきほどの表の通りなら、年収400万円の貯蓄額は月2万7200円ですが、年収500万円になれば月8万1300円の貯蓄ができるのです。1年続ければ、合計で97万5,600円。約100万円が貯められる計算です。ボーナスを半分貯蓄にまわせば、さらに増えて約133万円です。

預金よりも投資で、資産形成のスピードアップ

生活水準を上げずに頑張った結果、手元に残った133万円を、定期預金に入れっぱなしにしていてはもったいない。大手銀行では、定期預金の金利は0.01%。これでは1年預けてもたったの105円程度しか増えません。そこで、資産形成のために投資を選択肢に入れましょう。

○NISA、つみたてNISA

NISAとは少額投資非課税制度のこと。NISAは年間120万円までの資金で投資した時の利益に対し、税金がかからないメリットがあります。つみたてNISAなら年間40万円までの資金です。低リスクの商品がラインナップされているので、投資初心者にも始めやすくなっています。

○iDeCo

iDeCoは、個人型確定拠出年金のことです。基本的に、日本国内在住のすべての成人が加入できる年金制度です。加入者は毎月決まった金額の掛け金を積立て、金融商品で運用、60歳以降に受取る仕組み。掛金は全額所得控除になり、所得税と住民税が安くなります。

○不動産投資

住宅を購入したいと思う人は少なくないと思いますが、自分が住むだけではなく、投資物件として考えると、また違った視点で物件選びができるでしょう。駅に近く、買い物に便利、病院があり、しっかりとした構造の物件なら価値が下がりにくく、賃貸にも出しやすい利点があります。

さらに年収アップを狙う自己投資

さて、年収が増えると、生活必需品だけではなく、欲しいものを購入するゆとりが生まれます。せっかく稼いだお金なら、楽しみのために使うのもいいのですが、さらに年収アップを目指すことに使うことも考えてみてはいかがでしょうか。つまり、スキルアップのための自己投資です。

身近なところでは、本を読んだり、スキルアップに役立つセミナーに参加したりすることです。これなら数千円程度からできるでしょう。また、資格をとるのもいいでしょう。資格の取得は、現在の勤務先での収入アップだけではなく、転職の際にも有利になります。ポイントは、稼げる資格を選ぶこと。人気の資格が、収入に結びつくとは限りません。自分の強みとしてアピールできる資格、企業のニーズに合った資格を選びましょう。

○TOEIC

英語のスキルをはかるTOEIC試験のスコアは、必要とされる企業が増えています。転職に役立つのは700点、もしくは800点以上。英会話教室にはTOEICコースが設けられているところが多く、費用は20万円前後からが目安のようです。

○MBA

MBAとは、ビジネススクール(経営学の大学院)の修了者に与えられる学位のこと。取得は、欧米に留学する方法だけではなく、夜間や通信教育でも可能です。夜間・通信教育は、仕事を続けながらでも勉強が可能で、費用は留学と比べればリーズナブルで100万円程度からです。

年収が増えたら、増えた分だけ使ってしまうより、さらに収入がアップするような使い方がオススメです。金融商品の投資も自己投資も、目的を実現できるよう無理のない計画をたてることが大切です。

この記事の感想を教えてください。