はじめに

証券口座は特定口座を選ぶのが基本

もし、これから証券口座を開設する、もしくは証券口座はあるけど一般口座のみという場合には、特定口座を利用するのがよいでしょう。

特定口座には「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」の2種類があるとお話ししましたが、2017年6月時点で特定口座全体の9割以上が「源泉徴収あり」を選択しています。筆者の場合も、源泉徴収ありの特定口座で取引を行うことができていたら、子供の扶養控除を受けることができたのです。

しかし働き方によっては「源泉徴収なし」がよい場合もあるので、どちらを選ぶのかは以下を参考にしてください。

源泉徴収ありを選ぶメリットがある人は?

次のような人は、源泉徴収ありと選ぶメリットがあります。

 税法上の扶養親族
 配偶者の扶養内で働いている
 専業主婦(夫)

たとえば、100万円の売却益を得たとしても「税法上の扶養控除の適用要件には含まれない」と定められているので、いくら利益が出ても安心に取引できます。

また、国民健康保険に加入している自営業者などは源泉徴収なしで確定申告をした場合、所得が増えて国民健康保険料が高くなる可能性があるため、「源泉徴収あり」を選んだ方がいいと筆者は考えます。

なお、源泉徴収ありにしても、年間で大きな損失が出た場合には、確定申告をして翌年の利益と損益通算を行うこともできることを付け加えておきます。

「確定申告の手間がないからラク」という理由で源泉徴収ありを選んでいる人は多いと思いますが、会社員の場合には逆に損をしている可能性があります。

給与所得のみで年末調整を行なう場合、合計20万円以下の所得については確定申告は不要です。これには株などの売却益も含まれるので、源泉徴収ありを選択することで本来支払う必要のない税金を証券会社が代行して納税していることになります。

確定申告を行なったとしても納税分の還付を受けることはできません。年末調整を行う会社員で、頻繁に株や投資信託の売買をしない人には、源泉徴収なしを選んだ方がいいと筆者は考えます。

NISAは現時点で最強の口座!

最後になりますが、株の売却益などが非課税になり、しかも税法上の扶養控除の適用条件にも含まれない第3の口座があるのを知っていますか?それはNISAといわれる少額投資非課税制度のことです。毎年120万円を限度に最長5年間非課税になります。

NISAを始める時には証券口座内にNISA口座を開く必要があり、扶養を気にすることなく株の売買ができる最強の口座と言えるでしょう。

ただし、損失が出た場合の繰越ができない、年間限度額を超えた取引や年間非課税期間の終了後には特定口座などでの取引となることなど、注意しておくこともあります。また19歳以下のジュニアNISAや2018年1月から始まったつみたてNISAもあります。

最後に、これから株式投資を始める方は利益を出すだけでなく、売却した時の出口戦略をあらかじめ考えておくことも重要だということを、筆者のしくじり体験からお伝えできれば幸いです。

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