湿度と室温が高くなる梅雨の時期、お米の保管には注意が必要です。ご飯を炊こうと米びつを開けたら、虫が発生していたなんてことも起こり得るからです。

米びつの蓋は閉じているはずなのに、虫はどこからやってくるのでしょうか。“お米のプロ”に正しいお米の保管方法を伝授してもらいました。


お米に賞味期限はないけれど…

「お米は精米日を記載しますので、賞味期限は基本的にはありません」

日本で唯一、穀物の6大プロフェッショナル資格を持つ、5つ星お米マイスターの澁谷梨絵さんによると、精米後のお米は日が経つにつれて味が落ちるものの炊飯すれば食べることができるため、賞味期限は設けていないといいます。

ただし、おいしく食べるためには「夏場は精米から2~3週間以内、冬場でも1カ月以内に食べきれる量で購入することがおすすめです」。

“冷蔵庫保存”で酸化を抑える 

精米後のお米は酸化が進み、味は日に日に劣化。少しでも長くおいしい状態を保つためには、どのような場所に保管したらいいのでしょうか。

「お米は湿度と高い温度を嫌います。22℃以下での保存が必須です」と澁谷さん。保管場所のおすすめは冷蔵庫。中でも野菜室の温度は、お米が冬眠している状態をつくり、酸化を抑えることができるといいます。

その際、お米が空気を吸わないように必ず密閉容器で保管すること。空のペットボトルやタッパー、ジップロックなどが最適です。におい移りも防ぎます。

お米に虫が発生、どんな状態?

腐るようなものではないからと正しい保管作業を怠ると、マダラメイガやコクゾウムシといった米虫が発生することも。虫が湧いたお米は、いったいどんな状態になるのでしょうか。

「マダラメイガがふ化すると蛾が発生し、お米同士を糸のようなものでくっつけます。また、小さく黒いコクゾウムシが発生すると、お米の美味しい栄養分を吸い取ってしまいます。どちらも、食味が落ちる原因になります」

そもそも、虫はどこから侵入してくるのでしょうか。澁谷さんによると、産地や精米所で気づかないうちに卵が付着していたり、家庭でも保管方法を誤ると侵入し孵化する可能性があるといいます。米びつに残る米ぬかのカスを好み、さまざまな経路から侵入してくるのです。

発生を防ぐには、22℃以下の冷所に保存することはもちろん、米虫はカプサイシンを嫌うため、ガーゼに包んだ唐辛子を一緒に置いておくのが効果的。また、「米唐番」などの防虫グッズを入れておくのも手だそうです。

虫が湧いたお米は食べられる? 

万が一、虫が湧いてしまったお米でも、虫そのものや糸がついたお米を取り除けば、食べることができるといいます。光に反応し、明るいところではお米に寄りつかない習性のあるコクゾウムシは、家の外に新聞紙を敷いてお米を広げておけば勝手に逃げていくそうです。

ただし、一度虫が湧いてしまったお米の味は「大幅に落ちます」と澁谷さん。

虫が発生したお米を食べるのは気持ちがいいものではありません。精米後のお米は保管方法さえ間違わなければ虫が湧くことはないので、冷蔵庫に入れるひと手間を惜しまず、できる限りおいしい状態に保つように心がけてみてはいかがでしょうか。

『世界でいちばんおいしい お米とごはんの本』澁谷梨絵著

品種改良や精米技術の進歩によって、おそるべき進化を遂げているお米。「おいしいお米の炊き方」は時代とともに変わります。お米の選び方から保存の仕方、炊き方、よそい方、冷凍・解凍の仕方など、知らなかった“米炊きの極意”をお米のプロが教えてくれます。また、古米をおいしく食べる裏技や、玄米の栄養を白米でも摂る裏技など、秘伝をすべて公開。この1冊で、きっと大好きになるごはんと出会えるはずです。