はじめに

年末の風物詩とも言える年末ジャンボ宝くじ。日本人は宝くじが大好きですよね。

投資より貯蓄を好む日本人ですが、投資経験がある人の割合はおおむね2~3割と言われています。一方、宝くじを買ったことがある人は宝くじ公式サイトによると78.5%もいるそうです。これだけを見ても、投資はしたことがないけど宝くじは買ったことがあるという日本人の実態が見て取れます。


※参考:宝くじ公式サイトより

ただ、持論を言わせていただきますと、お金を投じる以上、宝くじも一種の投資ではないかと思います。今回は、宝くじを金融商品と捉え、その有効性を検証してみました。


宝くじを買い占めたらいくらかかるのか?

まず前提として、宝くじは完全に運否天賦だとします。人によっては、当選しやすい店があるとか連番がいいとかあるようですが、基本的に当選確率は同じです。

コイン投げをして10回連続「表」が出たら、「そろそろ裏がでるのでは?」と思いがちですが、確率は常に50%です。このような錯覚をしてしまうことを経済学ではギャンブラーファラシー(ギャンブラーの誤謬)と言いますが、宝くじにも同じことが言えます。

一枚一枚の当選確率は同じですから、どうせならすべて買い占めた場合を考えます。そうすれば高額当選金も確実に手に入りますからね。買い占めにいったいいくら必要かと言いますと、調べてみたら今年の年末ジャンボ(第704回全国)の発売額を見つけました。

その金額は、

1500億円!

僕が想像していたよりはるかに大きな金額でした。枚数でいえば5億枚もの発売が予定されています。土台無理な金額ですが、想像なら買い占めることができます。

当選金総額と買い占め時の損益は?

当選金とその本数も公表されていました。1等7億円という夢のような当りは25本、前後賞1億5千万円が50本、2等1千5百万円が500本などなど、それぞれの当選金総額を手計算しましたら、

749億8750万円!

となりました。なので買い占め時の損益は、

-1500+749.875=-750.125億円!

買い占めたら750億円も損してしまいました。みなさん絶対に買い占めないようにしましょうね。

宝くじの還元率は50%未満にするよう法律で定められている

宝くじのことを正式には「当せん金付証票」と言い、実は「当せん金付証票法」という法律で、その還元率を50%未満にするよう定められています。つまり、1枚300円のうち、平均すると150円未満しか手元に残らないよう設計されているのです。

あえて投資という観点で申し上げますと、こりゃ勝ち目はありません。投資金額の半分も持っていかれる商品はほかに聞いたことはないです。そして、持っていかれる150円はどう使われているかというと……。

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