はじめに

働く主婦が望む働き方とは?

「いま最も望ましいと思う働き方」をテーマに、しゅふJOB総研が2018年に取得したアンケートの結果が以下です。


有効回答数733名

最も多かったのが「短時間非正規社員」で38.3%、次に多かったのが「短時間正社員」で32.7%。一方、「フルタイム正社員」と回答した人は13.1%にとどまりました。

「短時間非正規社員」と回答した人からは、「まだ子育て中ということと、自分自身も責任の重い仕事はしたくない(できない)から(40代:契約社員)」「扶養に入っているので(40代:パート/アルバイト)」と言った声が寄せられています。時間の制約があり、柔軟に働きたいという希望があるようです。

一方、「短時間正社員」と回答した人は、「正社員として働きたいが、子育ての時間もできるだけ確保したいから(30代:派遣社員)」という声に象徴されるように、時間制約の中でも、正社員としての安定性ややりがいも求めたいという希望があるようです。

もし100%仕事に時間を使えたらどうしたい?

ただ、一つ疑問が残ります。主婦層は、主婦だから短時間の仕事を望んでいるのか。それとも、主婦であることとは無関係に短時間の仕事を望んでいるのか。そこでしゅふJOB総研では、「もし家庭の制約などがなく、100%仕事のために時間を使うことができる場合、あなたにとって最も望ましいと思う働き方をお教えください」という質問もしてみました。


有効回答数733名

驚くべきことに、6割以上の人が「フルタイム正社員」と回答しています。フリーコメントには、「短時間だからと抑えられている給与水準が低すぎる(50代:正社員)」「厚生年金や健康保険等の福利厚生が充実しているから(40代:今は働いていない)」などの声が寄せられました。

主婦が望む働き方のホンネは、二層構造になっています。様々な制約があるために短時間勤務を望む人が7割。しかし、制約がなければフルタイム正社員で働きたい人が6割。

このように見てくると、法律が成立しただけで働き方改革が実現するほど簡単な話ではないことがわかります。まだ、ようやくスタートラインに立ったに過ぎません。働き方改革が目指す「多様な働き方を選択できる」社会のゴール像とは、主婦がホンネを二層構造にしなくて済む社会でなければならないはずです。

では、改めて問いたいと思います。あなたご自身はどんな働き方を望んでいますか?色々なしがらみの中で、知らず知らずのうちに無理な選択をしてしまっていませんか。

働き方改革実現のためには、まず一人ひとりが何を実現したいかを明確にすることから始める必要があります。本当に実現したい姿が明確になった時、初めてそこにゴールが設定されます。日本に住むすべての人が望む働き方を手に入れることこそが、働き方改革にとってのゴールです。そしてそのゴールを設定するのは、あなた自身に他なりません。

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