はじめに

トイレ掃除を誰かに教わる機会はなかなかないので、自己流で掃除をしている人も多いのではないでしょうか。そのやり方で本当に汚れは落ちているのか、不安になることはありませんか。

きちんと掃除しているはずなのに気になる臭い、それは掃除が行き届いていないサインかもしれません。

見落としがちな汚れや、手間をかけずに清潔さを保つコツなど、トイレ掃除の正しい方法について、家事代行サービスで活躍する掃除のプロに指南してもらいました。


トイレ掃除、理想の頻度は? 

――どれくらいの頻度でトイレ掃除をしていますか。

インターネット調査会社のマイボイスコムが行った調査によると、「ほとんど毎日」と回答した人は18.5%にとどまり、毎日を含め「週に1回以上」掃除していると答えた人は6割強という結果になりました。

(出所)マイボイスコムのデータをもとに編集部作成

登録会員数5万人を超える家事代行サービス「CaSy」で、今まで多くの家庭に出向き掃除をしてきたキャストの隈河綾子さんは、理想の掃除頻度について「できれば1日1回、自分が入った後に“ついで掃除”をすることをおすすめします」と話します。床と便座の表裏、便器のフチ上をお掃除シートで、さっと拭くだけでも臭い予防に効果的だそうです。

とはいえ、忙しいと毎日トイレ掃除をするのは難しいことも。「忙しいときは週末に1回、便器内の水の境目部分をブラシでこすり洗いしてください」。これだけで、“さぼったリング”や、水が流れ出るところのピンク汚れを防げるそうです。

正しいトイレ掃除の手順

毎日の“ついで掃除”は手間をかけずにさっと行いますが、それだけでは汚れを見落としていることも。トイレを清潔に保つには定期的に隅々まで掃除する必要があります。正しい掃除の手順について教えてもらいました。

【正しいトイレ掃除の手順】

1. まずは換気扇に注目しましょう。埃が溜まりやすいので、溜まっていたら埃を取ります。

2. 次に、お掃除シートで便器を拭きます。便座表(座るところ)から、便座蓋の裏、便座蓋の表、タンクやレバー、汚れやすい便座裏と便器の順に拭いていきます。その際、便座の蓋や便座は乾いた布を使うと傷がつきやすいので、お掃除シートや濡れた雑巾で拭きましょう。

3. 便座横にあるフィルターやパイプの埃を取りましょう。フィルターは埃が溜まりやすい場所ですが、そうじを忘れがちです。フィルターに埃が溜まっていると悪臭の原因にもなります。

4. 続いて、便器内をブラシでこすります。水が跳ねることもあるので床より先に掃除をしましょう。便器のフチ裏は特に汚れが残りやすいので、ブラシで掃除をした後に、さらにトイレットペーパーやお掃除シートでぐるっと拭いておきましょう。

5. 最後に、壁、床、トイレマット、スリッパ裏を拭きます。お掃除シートを使っての拭き掃除は、汚れを発見しやすいようになるべくかがんで作業を。トイレスリッパの裏は盲点です。せっかく床掃除をしてもスリッパ裏が汚れたままだと台無しになるので要注意。

きちんと掃除しているはずなのに臭うのはなぜ?

定期的な掃除を欠かさず、目に見える汚れはすべてきれいにしているはずなのに、なぜか臭いが取れない。そんなとき、臭いの発生源として疑った方がいい場所があるといいます。

「床、壁、トイレマット、 便器と床の境目、 便器と便座の接続部分、便器と蓋の接続部分は尿ハネによる汚れが付着している可能性が高いです」

特に、カバーなどのタオル類はこまめに洗濯をしないと、臭いの元になることがあるといいます。手拭きタオルは毎日交換し、トイレマットは最低でも週に1回は交換した方が衛生的だそう。

「床ならさっと拭けるので、トイレマットは“置かない”というのもアリです」

掃除がラクになる心得とは?

トイレ掃除をする上で大切なことは「いつやるのかを決めること」だと隈河さん。

1日1回、お掃除シートで拭く、またはタオル交換をするなど、毎日のルーティン作業にしてしまうことが、手間をかけずに清潔さを保つコツだと話します。

また、毎日拭き続けることで、自ずと汚れやすいポイントがわかってくるといいます。「1週間もしないうちに、トイレ掃除を便座から床までたった3分で拭きあげることができるようになり、結果的に掃除がラクになりますよ」

溜まった掃除を一度に片付けようとすると気が重くなります。正しい方法と一緒に掃除の心得を身につければ、気持ちも掃除もラクになり、一石二鳥になりそうです。

【取材協力】CaSy(カジー)
掃除や料理をメインに、安心で高品質な家事代行サービスを提供。1時間2,190円からのリーズナブルな価格で、スマホからいつでも簡単に予約が可能です。社員が「大切な時間」を確保するためのサポートとして、福利厚生に同社のサービスを採用する企業が急増中。各家庭が抱える家事の悩みについて、キャストが応えるアドバイスにも定評あり。

(文:編集部 土屋舞)

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