はじめに

全国的に35度以上の猛暑日が頻発しています。天気予報の「最高気温」を見るだけでも汗が出るような陽気です。この季節になると、職場でも「夏休みはどうする?」という話題が増えてきます。

昨今の「働き方改革」の一環で長期休暇取得を推奨している企業がある一方、有休残があるのになかなか消化できないという会社員の方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、夏休みや今後の長期休暇を取得しやすくするためのコミュニケーション術をお伝えします。


上司に合わせて相談の仕方を変えよう

総合旅行サイト「エクスぺディア」が昨年12月に発表した「世界30ヶ国 有給休暇・国際比較調査2017」では「有休取得に罪悪感を感じる人の割合」や「上司が有休をとることに協力的かわらかない人の割合」が、日本は諸外国と比較して圧倒的に高いという結果が出ています(下図)。


一方、上司の側からすると、別に有休を取らせたくないと考えているわけではないのに、メンバーのほうが上司や周囲に遠慮しているケースも多くあるようです。

もちろん、有休は就業規則で認められた従業員の権利ではありますが、自身の不在時に他の人のサポートが必要になることもあります。ちょっとしたお休み前後のコミュニケーションによって、お互いに気持ちよく有休をとれる職場のほうが理想的です。

極めて重要なのは、お休みすることを伝える相手のスタイルを見極めることです。不在時の引き継ぎなど仕事の段取りができていればOKという合理的な人もいれば、周囲の了解など人間関係を気にする人もいます。

相手のコミュニケーション・スタイルに合わせた対応をすることで、あなたの希望が相手に気持ちよく受け入れてもらえる確率が上がります。実は、個人によるスタイルの違いについては以前よりさまざまな研究がなされ、理論として確立されているのです。

上司のスタイルを1分で判別

1970年代に米国の産業心理学者、デイビッド・メリル博士らが提唱をした「ソーシャルスタイル理論」がビジネスに応用され、現在注目を浴びています。この理論は、人の性格がある特徴的な行動に表れることを発見し、行動傾向から個々人に対しての適切なコミュニケーションの方法を把握するというものです。

相手の言動を「感情を表す/抑える」と「意見を主張する/聞く」の2つの観点から相手を4つのスタイルに分類し、相手にとって好ましいコミュニケーションをとることで、相手に受け入れられる度合いを高めることができるようになります。


日常の行動で当てはまる項目をチェックし、4つのうち最も多く当てはまる項目がその人のコミュニケーション・スタイル

今回は、上司へ「夏季休暇取得」を相談する場合のコミュニケーションの方法を取り上げます。上図のチェックシートをもとに自身および、有休の承認をとりたい上司のソーシャルスタイルをチェックしてみましょう。

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