はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。
セカンドハウスのローンを繰り上げ返済すべきか悩んでいます。事務所にしようと、自宅の最寄り駅近くのワンルームマンションを昨年購入しましたが、結局事務所として使用していません。ローンの残債が1,400万円程あり、金利は1.1%です。現在、某大手証券会社にすすめられるままに購入した、外貨建て債券やNISA枠の投資信託で損失が出ているので、解約してローン返済に充てた方がよいでしょうか。また、娘が大学卒業後、もし、そこで一人暮らしをするとしたら家賃を徴収するべきでしょうか。
現在の資産は以下の通りです。ラップ口座は30万円程プラス、それ以外はリラ建債権、米ドル、豪ドル債券など損失が40万円程あります。また投資用のワンルームマンションを別に1室所有しており、こちらは賃料からローンを支払っています。自宅のローンはありません。アドバイスよろしくお願いします。
【現在の資産】
・預金:700万円程度
・某大手証券会社のラップ口座:500万円
・投資信託(NISA):200万円
・外国株式:100万円
・債権:400万円程度
〈相談者プロフィール〉
・女性、53歳、既婚、子ども2人(大学生)
・職業:自営業
・居住形態:持ち家(戸建て)
・手取りの世帯月収:100万円
・毎月の支出目安:70万円
・総資産:2,600万円
花輪: セカンドハウスのローンの残債が1,400万円程度(金利は1.1%)で繰上げ返済をすべきかというご質問ですが、低金利で借りられているので、原則は余裕がある時に無理のない範囲で行えばよいでしょう。
損失が精神的な負担になるなら繰り上げ返済を
大手証券会社のラップ口座、投資信託、外国株式、債券に関しては、預金と違って値動きがあるものなので、プラスになっているものもあれば、マイナスになっているものもあるという状況はよく起こることです。
現在プラスのものも、相場によっては将来的にマイナスに転じる可能性もありますし、逆もあり得ます。
保有していて精神的な負担があったり、買ったことを後悔していたりするようであれば、売却をしてローンの繰上げ返済にあてるのも手です。1.1%と低金利ではあるものの、確実にローンの利息を削減する効果があるからです。
投資は不確実、住宅ローンの利息削減効果は確実と考えると、確実な方を選んだ方が合理的とも言えるからです。
子どもから家賃を徴収する場合は慎重に
お子さんが親の不動産を借りる場合ですが、無償で不動産を借りたり、低額を親に支払う場合は使用貸借となります。
贈与税の年間非課税額は110万円ですが、金額によっては贈与税がかかる可能性もあるので、税理士などの専門家に確認をした上で事前に取り決めた方が安全でしょう。