国鉄時代、営業キロが101キロメートル以上の普通乗車券は、何度でも途中下車ができました。例えば、新宿駅(東京)から松本駅(長野)までの普通乗車券であれば、途中の甲府駅や上諏訪駅で下車し、甲州名物のほうとうや温泉、歴史散策などが楽しめました。

しかし、国鉄分割民営化以後は基本となる「旅客営業規則」の改訂が実施され、新宿駅から松本駅までの普通乗車券では途中下車前途無効となっています。これらの規則の改訂を知らない人も多く、途中下車しようと思っていた駅で改札外に出られずに当惑することもあります。

今回はJRの「旅客営業規則」に記載される「大都市近郊区間内の途中下車」のデメリットと対応方法、メリットとして活用する車窓の旅をご案内します。


JRの「旅客営業規則」とは?

現在のJRの「旅客営業規則」は国鉄時代に定められたものを継承したもので、JR各社の実情などに合わせ、随時改訂が行われています。JR化後でも規則の改訂が行われていますので、昨日まで可能であったことが、今日から不可能となることもあります。

JRの駅の窓口などに常備されている市販の「JR時刻表」の巻末には、「きっぷあれこれ」として「旅客営業規則」を分かりやすく説明した頁があります。ここを読めば大まかなJRのきっぷの規則について理解できますが、元となる「旅客営業規則」はJRのホームページで閲覧することができます。

今回のテーマの「途中下車」については第156条に記載されていますが、さらに重要なポイントになるのが第157条の「選択乗車」です。各条文を引用した表記も多いので一読してわかるものではありませんので、まずは「JR時刻表」の巻末から読むのが良いでしょう。

大都市近郊区間のデメリットとは?

JRでは東京・新潟・仙台・大阪・福岡の5エリアに「東京近郊区間」「大阪近郊区間」などを定めています。


常磐線の特急「ひたち」

JR時刻表の952頁に各区間のエリア図が出ていますが、この区間内の駅間のみを利用する場合(例えば常磐線いわき駅から東海道本線熱海駅まで)、途中下車不可・きっぷの有効期間は1日間となります。東京近郊区間が拡大される前であれば、水戸駅(茨城)や東京駅で途中下車することができ、有効期間も3日間ありましたので、東京の夜も楽しめたことになります。

水戸駅と東京駅で途中下車したい場合、いわき駅(福島)から水戸駅まで、水戸駅から東京駅まで、東京駅から熱海駅(静岡)までと3枚に分割して購入しなければならず、運賃も割高になります。1枚のきっぷで途中下車したいと思うのは誰しもですが、「この区間内」という条件を外す方法として、区間外までの乗車券を購入すればOKとなります。


JR鹿島線

いわき駅から熱海駅ではなく、区間外となる次の函南駅までの乗車券を購入すれば、水戸駅でも東京駅でも途中下車が可能となります。中央本線松本駅、上越線水上駅、東北本線黒磯駅も東京近郊区間内の駅ですので、途中下車の旅を考えている場合は注意が必要となります。