はじめに

内閣府が月に1度公表する「景気ウォッチャー調査」は日経平均株価とかなり連動しています。

景気ウォッチャー調査で「現状判断DI」が1ポイントを上回って上昇すれば、日経平均の買いシグナル点灯。その後、1ポイント以上の低下となると売りシグナルに転換、という売買を公表日終値で行ったとします。

現在まで61回シグナルが点灯し、勝率は6割です。旧民主党政権下で勝率が3割と著しく悪化した時期を除くと、7割と高水準です。

昨年7月10日の「買い」、今年2月8日の「売り」、7月9日の「買い」を経て、8月8日に再び「売り」シグナルが点灯しました。次の「買い」シグナル点灯の条件を探ります。


景気ウォッチャーとはどんな調査か

6月28日から7月8日にかけて、西日本を中心に北海道や中部地方など全国的に広い範囲で記録された集中豪雨を、気象庁は「平成30年7月豪雨」と命名しました。この豪雨の影響を、景気ウォッチャー調査で分析してみましょう。

景気ウォッチャー調査は全国から2,050人の景気に敏感な立場にある人を、日本経済の縮図になるように、分野・業種と地域の2つの面を基準に選んでいます。毎月25日から月末までの間に回答してもらいます。直近の7月調査では1,851人が回答、回答率は90.3%でした。

現状判断については、「良くなっている」「やや良くなっている」「変わらない」「やや悪くなっている」「悪くなっている」の5段階で、理由とともに景況感を選択してもらっています。「豪雨」に関するコメントを景気判断の理由として挙げた回答を集計してみます。

「良くなっている」から「悪くなっている」まで5段階に0.25刻みで点数を与え加重平均すると、「豪雨」関連のDI(パーセント表示)ができます。全員が「変わらない」を選べば50になり、50が景気判断の分岐点です。

豪雨が現状判断悪化の主因

「豪雨」関連・現状判断DIは33.9(回答者175人)と、多くの人が悪い回答をしました(下表)。

猛暑のプラス効果にも、豪雨は水を差したようです。本来、家電量販店、スーパー、コンビニ、タクシー運転手などを中心に特需が起こって、猛暑は景気にプラスに働くことが多いのですが、「猛暑」関連現状判断DIが46.8(回答数179名)と50を下回ってしまいました。

豪雨の影響を大きく受けた中国地方の「猛暑」関連現状判断DIが32.4になるなど、弱いためです。豪雨の影響をあまり受けていない5地域では60台、50台のDIになっています。

「猛暑」関連「悪くなっている」のコメントで、中国地方のテーマパーク(営業担当)は「平成30年7月豪雨災害の影響で交通網が復旧しておらず、連日の猛暑により客の動きは悪い」としています。

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