読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はマネーフォワードから生まれたお金の相談窓口『mirai talk』のFPがお答えします。


外資系の会社に勤めています。世代で比較すると収入も貯蓄も十分にあると思うのですが、最近、子どもの大学費用や自分達の老後を考えると、もっと貯金をしなければならないのではと不安です。節約を検討したいのですが、現在の収入を維持するためには、一定の自己投資と趣味費はかかせません。どのくらいの貯蓄額を目標にがんばればよいでしょうか。アドバイスをお願いします。


〈相談者プロフィール〉
・男性、45歳、既婚(妻:43歳・専業主婦)、子ども2人(20歳・16歳)
・職業:会社員
・手取り月収:60万円
・年間ボーナス:250万円×2回
・預貯金:2,000万円
・有価証券:300万円
・確定拠出年金:600万円


【家計の内訳】
・住宅費:15万円(住宅ローン:残期間20年、全期間固定金利)
・水道光熱費:2万円
・生命保険:4.5万円(貯蓄型の死亡保険、がん保険、個人年金2万円)
・生活費:20万円(妻が管理、内訳は不明)
・趣味・娯楽費:年間80万円程(英会話などの自己投資、趣味)
・その他不明金:3万円
※年間では300万円程黒字ですが、老後のためにもっと貯めなければいけないでしょうか。

FP: ご相談ありがとうございます。miraitalkのファイナンシャルプランナーの宮城です。外資系の会社にお勤めなのですね。退職金制度がないことが多いので、しっかりと資金を準備しておきたいですね。

老後資金の目標は生活の仕方次第

相談者さんの現在の収入では、年金保険料は最高額の標準報酬月額62万円で収めていることになります。

若いころからこの収入という方はほぼいないので、年金計算のもととなる平均給与は62万円よりも下がると思いますが、それでもおそらく、今の収入を定年まで継続できると、一般的に言われる平均額よりは多く年金を受給できるのではないかと考えます。

退職金を老後資金として計算に入れる場合もありますが、外資系企業は退職金制度がないところがほとんどですから、考慮しないで考えてみましょう。

まずは、受給できる年金額と、自分たちが希望する暮らし方にかかる生活費を試算して、その差額分を100歳まで生きると想定して計算していきます。

計算上は問題なくても、万が一に備えて

まず、受給できる年金の見込み額です。相談者さんの場合、比較的高収入の会社員であり、今までも今後も現状の収入を維持しているという前提で、仮に年額300万円(月額25万円)の年金を受給できるものとして考えてみます。

実際の年金額は、これまでの加入状況や給与によって変動しますので、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を利用してご自身の見込み額を確認してみてください。

次に、老後に毎月必要な生活費を考えていきます。現在は、不明な支出も加えると、約50万円ほどで暮らしていることになります。65歳には住宅ローンが終わる見込みですし、お子さんも独立するでしょうから、現状からローンを除いた生活費35万円の約7~8割が、老後に必要な生活費と考えてみましょう。そうすると、老後の毎月の生活費は約24.5~28万円となります。先程考えた仮の年金額であれば、年金だけで暮らしていくことも可能だと考えられますね。

しかし、この計算はあくまでお子さんの独立後、現在の生活費を7~8割程度に圧縮できた場合のシミュレーションです。家計相談に来る多くの方を見ていると、お子さんの独立後も生活費を減らすことなく、余剰分も使ってしまうなど、かえって支出が増えてしまうケースも多いため、注意が必要です。

もし、支出を圧縮できず、現状と同じ35万円で暮らしていく場合、毎月10万円もの補填が必要になります。この場合、必要な老後資金は4,200万円。介護費や住宅のメンテナンス費用などを、このほかに準備しなくてはいけませんから、1,500万円ほど追加費用を考えて、5,700万円という資金が必要になります。
 
現状のペースで毎年300万円の貯蓄を、60歳までの15年間続けられるとすると、4,500万円の貯蓄ができ、さらに現在の資産運用分などが加われば資金作りはできそうです。ですが、業績の悪化などで今後の収入状況に変化があったり、想定外の支出があったりすると、簡単にこのプランが崩れるという危うさが残る状況です。

生活費の圧縮を図れば、老後資金はもっと増やせる

先程算出した5,700万円を目標にされてもよいですが、より現実的な貯蓄額も考えてみましょう。

仮に先程の老後生活費を30万円にできたとすると、毎月の補填は5万円で済むことになりますので、100歳までに必要な分としては2,100万円、予備費1,500万円と合わせて3,600万円となります。

今から生活費のダウンサイジングをすることで、老後に向けた貯蓄額を増やすことができ、老後の補填額を減らすことができます。お子さまが独立した後の生命保険の見直しや、不明金の内訳を見ていくことで、月5万円程度のダウンサイジングは無理なくできる家計ですから、ぜひ支出改善にも取り組んでいただきたいと思います。
 

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