読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は横山光昭氏がお答えします。


自宅の一室でフランチャイズの塾を経営しています。売り上げから経費を除いた分を収入として家計に入れ、夫の給料と合わせて暮らしていますが、家計は毎月赤字です。こういう状況なので、良くないことなのですが、生徒から受け取る月謝に含まれる教材費を家計に入れてしまっています。本来なら積み立てて、半年に一度、教材費として15万円ほど支払わなければならないのですが、それができません。そのため、生活費の補填とその教材費の支払いで、夫のボーナスはまったく残りません。今月は、フランチャイズの本部に支払うお金も用意できず、住宅ローンを支払うこともできていません。なんとか立て直したいと思うのですが、手立てはあるでしょうか。


〈相談者プロフィール〉
・女性、44歳、既婚(夫:46歳・会社員)、子ども2人(中1・小4)
・職業:自営業
・手取りの世帯月収:35万7,000円
 妻:7万2,000円
 夫:28万5,000円
・手取り年間ボーナス:70万円ほど
・預貯金:20万円


【支出の内訳(38万5,000円)】
・住宅ローン:8万3,000円
・食費:7万4,000円
・水道光熱費:2万5,000円
・日用品費:8,000円
・通信費:3万1,000円
・教育費:1万6,000円
・その他生活費:14万8,000円
※月2万8,000円の赤字

横山: ご相談ありがとうございます。フランチャイズの経営は難しいですよね。

自営業の場合、売上と経費の計上の仕方と、家計の収入と支出の計上の仕方の区別がつきにくくなってしまうことが多く、家計の把握がしにくい原因となっています。まずは、そういったところがないかどうかを確認していきましょう。

実際の手取りはもっと少ない可能性も

相談者さんの場合、フランチャイズの収入、経費共に家計と合わせてしまっているようです。家計も事業も相談者さんが管理することにより、家計の財布に授業料を入れ、そこからフランチャイズ本部に支払うお金と生活費を出しているので、現在手取り収入だと思っている金額が、実際の手取り収入とは異なっているように見受けます。

半年に一度、教材費を15万円納めなくてはいけないということですから、毎月2万5,000円はそのために積み立てなくてはいけません。そのため、毎月の手取り収入は以下になります。

<相談者さんの手取り収入>
生徒からの月謝(教材費含む)―(フランチャイズ本部納入金+教材費積立金2万5,000円)

少なくとも、現在手取り収入だと思っている7万2,000円から2万5,000円を引いた、4万7,000円程度が最大の収入ではないかと思います。

こう考えると、毎月の赤字はさらに2万5,000円増え、5万3,000円。家計はこの分の支出を削減できないと黒字化できません。

まずは食費と通信費から見直して

何か一つの支出が影響して赤字であるというよりは、支出全体が少しずつ膨らんで赤字になっているようです。全体的に支出を削減することを考えましょう。

食費はかけようと思えばいくらでもかかってしまいます。少しでも削減するために、「週の予算管理」をしてみましょう。食費と日用品代を合算した金額を5週間で割ってみます。相談者さんのご家庭の場合は1万6,400円になります。まずはそこから1割ほど減らした、1万5,000円を1週間の食費と日用品代としましょう。

短めのスパンなら予算の中で暮らすということも、意外にできるものです。この予算を無理のない程度まで落としていくことができれば、支出は2万円近く削ることができます。

通信費は積極的に格安スマホを取り入れるなど、支出削減に取り組みましょう。電話番号を変えずに変更することができます。最近は、格安スマホの通信速度について、大手キャリアと差をつけることを禁止するという報道もされています。ますます使いやすくなると思いますので、面倒くさがらず、不安を持たず、変えてみてよいと思います。

ほか、支出の仕方に優先順位をつけ、必要度の高い支出を中心にお金を使っていくように心がけ、支出を分散させ、コントロールしていきましょう。

家計と自営業の財布をきちんと分けて

相談者さんが今回、困ってしまう事態に陥ってしまったのは、はじめに申し上げた通り、家計の中に自営業費を含めてしまっていたことに起因すると思います。自営業をする方全般に言えることですが、自営業は家計と仕事のお金を一緒にしてしまいがちですが、あえて切り離していく工夫と努力をしましょう。

会社員など毎月のサラリーで生活する方は、収入を得られる日が決まっているため、管理しやすい状況であるとも言えます。自営業は収入がある度に家計にお金を入れてしまうので、収入にも支出にも締まりがない状態になってしまいがちです。

もし、相談者さんが家計管理をすることで自営業とごちゃ混ぜになってしまうというのであれば、家計の管理をご主人にお願いしてもよいでしょう。もしかすると、家計と自営業の財布をきちんと分けることで解決できるかもしれません。

きちんと分けておかないと、一方が悪くなった時にもう一方も悪くなるという悪循環に陥ります。そうならないように、状況を客観視するということを心がけてほしいと思います。

マネーフォワードと家計再生コンサルタントの横山光昭による、公平で安心できるお金の相談窓口「mirai talk」が新宿にオープン。無料セミナーも毎週実施中